自立型ロボット兵器が現実化する世界

2015.12.21


 military.comによれば、戦闘状況に素早く反応し、対応できる賢く、自立した兵器を構想する米国防総省の計画は、致死性の自立的兵器システム(lethal autonomous weapons systems: LAWS)に関して提案された国連の禁止にあたるかもしれません。

 国連は各国がそれらを製造し始める前に自立型殺人システムの進路を変えさせることを望んでいますが、アメリカ、ロシアその他の国々は殺人ロボットの進歩を遅めることはしそうにありません。先週、ボブ・ウォーク国防副長官(Deputy Defense Secretary Bob Work)はワシントンで開催されたナショナル・ディフェンス・フォーラムで、将来の強力な抑止戦略は一部にはリアルタイムで学習し、自立して動作する兵器システムを持つことにかかっていると言いました。コンピュータのパワーとネットワーク攻撃の進歩で促進された自動化された戦闘ネットワークはすでにサイバースペースの速度で動く戦闘活動を行っていると、ウォーク副長官は言いました。「この傾向は先進の軍隊がこれらのテクノロジーや極超音速を使って実験する限り続きます」「さほど遠くない未来に、我々は光の速度で動く戦場で指向性エネルギー兵器を見るでしょう」

 しかし、国連は各国が兵器の一部に造り始める前に自立型殺人システムを阻止することを望んでいます。裁判外、略式、専断的処刑に関する国連特別報告者、クリストフ・ヘインズ(Christof Heyns)は10月、イギリスの新聞「The Guardian」に調査と研究開発はかなり進行していると言いました。「多額の金が研究に使われ、人々は投資を回収することを望んでいます」「高レベルな自立型兵器に関する先行的な禁止がなく、一度聖霊がビンの外に出たら、元に戻すのは極めて難しいでしょう」。

 4月に国連代表が提案されたLAWS協定を議論するためにジュネーブで会合を開いた時、アメリカ代表の長は、アメリカは強力な政策プロセスと方法論は新しい兵器システムが開発された時に危険を減らすのを助けることができると信じると言いました。国防総省は、アメリカがこうしたシステムを開発する計画を考察する方法の命令を確立したと、マイケル・マイヤー(Michael Meier)は、このグループに言いました。「我々はこの命令が潜在的な将来のLAWS開発に関するアメリカの立場を確立しないことを明確にしたいと思います。それはそうした未来のシステムの開発を奨励も禁止も促しません」」。

 9つの人権・平和団体で構成されるグループ「Campaign to Stop Killer Robots」によれば、10月のLAWSに関する会議の中、アメリカはLAWSの禁止を検討するのは時期尚早で、こうした兵器の開発を省令も禁止もしないと繰り返しました。グループによれば、ロシアはアメリカと同じく、当面の間、我々はオペレーティングモデルが何もない仮想テクノロジーを解決することになるため、代表団がそうしたシステムを禁止するのは時期尚早だと述べたと言いました。

 ウォーク副長官は先週、ワシントンでのプレゼンテーションの中で、ロシアの参謀長、ヴァレリー・ゲラーシモフ大将(Gen. Valery Gerasimov)がロシアはロボット化された戦場で戦う準備ができていると述べたと言いました。「さらに(ゲラーシモフは)、近い将来、完全ロボット化された部隊が創られ、独自に軍事作戦を行う能力を持つ可能性があると言いました」。


 記事は一部を紹介しました。

 ターミネーターが現実化する時代が目の前に来ています。すでに遠隔操作式のロボット兵器は完成しています。キャタピラで駆動し、重機関銃などを装備した装置で、操作員が遠くから操作する兵器です。照準は操作員が行うので、実際には人間が攻撃するのと同じです。無人攻撃機も同様のロボットといえます。

 自立型は操作員が不要で、自分で敵を判断して攻撃する機械です。カメラで人を認識し、自動的に照準を攻撃を行います。人の形を識別し、それに照準するようなものになるでしょう。さらに地形を分析して、人が潜んでいそうな場所を捜索できるようになるかもしれません。 当然、ネットワークで複数のロボットがチームワークを行い、互いを援護し合うことでしょう。人間のすることと基本的には同じです。

 人間はそれを欺瞞することを考えるでしょう。マネキン人形を置いて、人間と見せかけるかもしれません。しかし、ロボットは熱線感知器で体温がない者は攻撃しないように設計されるでしょう。そうしないと死体を繰り返し攻撃することにもなります。

 人間は攻撃パターンに習熟し、その裏をかこうとするでしょう。殺人マシンはそれにも対処するようになるでしょう。いずれ殺人マシンは人間以上の兵士になることでしょう。

 考えられる問題点は、現在存在するLAWSは高さがありすぎて、者米物を利用するのが下手そうだということくらいです。

 こんな兵器が民間人の虐殺に用いられたら、対処の方法がなさそうです。機械が小さな村を襲撃し、住民を皆殺しにしたらと考えると、ぞっとします。機械がやったことだから責任をとる者がいません。但し、イスラム国のようなテロ組織を攻撃するのに使う場合は、こちらに被害が出ないので、誰も文句は言わないでしょう。

 こんな問題を含んだ時代が目の前に来ています。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.