沖縄で海兵隊機に対するレーザー攻撃が増加

2015.12.31


 military.comによれば、海兵隊は民間人がレーザー光線を飛行中の航空機のコックピットに向ける危険な行為を取り締まるために日本で当局と共に活動しています。

 現在まで、沖縄県普天間海兵隊航空基地の航空機に関係する危険な飛行活動干渉活動が8件記録されていると、海兵隊太平洋施設管理部の公報、ジョセフ・バターフィールド中尉(1st Lt. Joseph Butterfield)は言いました。それらの内5件はレーザーポインタを含みました。他2件は高く飛ぶ凧、1件は航空機の航路上に置かれたクレーンでした。

 一連のレーザーポインター事件の最初は2014年7月14日に記録されました。最近の報告は地元自治体がそれらを真剣に扱っていることを示します。ジャパン・タイムズ紙によると、今週、沖縄の法廷は地元の男性、56歳のヒラオカ・カツロに4,100ドル以上の罰金を科しました。報告によれば、航空機は海兵隊員4人を乗せており、事件は彼らの訓練を中止させました。海兵隊は普天間基地に航空機48機を配置しています。それらの半分はヘリコプターのように離着陸し、飛行機のように飛ぶMV-22「オスプレイ」です。

 バターフィールド中尉は、第3海兵遠征軍と海兵隊太平洋施設管理部はレーザーポイント事件の報告やその他の飛行干渉行為があるとすぐに、彼らが行動を起こせるように沖縄当局に通知すると言いました。海兵隊は沖縄の基地の外で司法権がないので、これらの事件に関する情報を持つ者は誰もが沖縄の警察に指示しなければなりません。「第3遠征軍が航空区活動のすべてができる限り安全な方法で行われることを確実にするために多くの予防措置を取る一方で、これらの飛行干渉活動は航空機を操作する海兵隊員と周辺の社会にとって非常に危険です」と中尉は言いました。「これらの飛行干渉活動に関与する者たちに止めるよう主張します」。

 レーザーは海兵隊の航空機に乗るパイロット、乗員、乗客の視力に重度で、長期の影響を及ぼし、短期間、瞳孔が暗がりで広がる「フラッシュ・ブラインドネス(flash-blindness)」を引き起こしかねません。それらは暗視ゴーグルを使って飛行するパイロットにも危険をもたらすと彼は言いました。ゴーグルに向けられたレーザーは過度な光のために暗視ゴーグルのスクリーン全体を明緑色に変え、視界を妨害する現象「ブルーミング(blooming)」を引き起こしかねません。「これらの問題すべては、特にパイロットがファイナルアプローチにある時、明るいレーザー光線のために機器や地上の参照物を見ることができないため、とても危険です」。現在まで、レーザーポインタで報告された怪我はありません。しかし、海兵隊当局は地元住民にこの行為を控えるよう主張し続けます。


 記事は一部を紹介しました。といっても、ほぼ全文です。

 レーザーポインタによる飛行妨害は聞いていましたが、沖縄で連続的に起きているとは知りませんでした。

 これまで事故が起きていないのは、パイロットが2人いて、1人がすぐに操縦を交替できるからだと考えられます。直ちに進路を変えて離脱すれば、もう1人も攻撃を受けるリスクを減らせます。攻撃を行っている側もそれを理解しているのでしょう。本気で墜落させたいのなら、複数人でパイロット2人を集中攻撃するはずです。つまり、テロ目的ではないものの、海兵隊に反発する人たちが嫌がらせ目的でやっていることと思えます。

 状況の詳細も知りたいところですが、記事には何も書いていません。機体が着陸寸前で、滑走路上などにいるところを狙うのなら、基地外へ墜落する危険はほとんどないことになりますが、まだ基地の外にいるところでやれば、民間人の犠牲が出かねません。

 凧については、子供の遊びではなく、明確に妨害を目的として揚げられています。以前にこれについて書いたことがあります(過去の記事はこちら)。

 日本人としては、沖縄の米軍問題は解決して欲しい問題で、危険を伴う抗議活動を一概に批判したいとも思いません。妨害行動の結果、住宅地に航空機が墜落する危険はあるものの、そのリスクは低く、実行する側もその辺は計算済みと思えます。何とも言いようのない問題です。

 


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