シリア軍がアレッポ周辺の村々を占領
BBCによれば、シリア軍は反政府軍の補給路を遮断するためにアレッポ(Aleppo)北方の村数ヶ所を占領しました。
人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、激戦がトルコ国境につながる幹線道路の交通を止めたと言いました。
政府軍は北方の街に向かう村数ヶ所でも戦っています。
人権団体は、月曜日朝、政府軍が反政府軍が支配するアレッポ北東部からトルコへつながる道路を封鎖したと言いました。
戦闘は、バシュクウィ(Bashkuwi)とシファット(Sifat)の陥落に続き、ハーダテイン(Hardatain)とラティン(Ratain)の村々でも起こりました。
人権団体の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdul Rahman)は、政府軍は反政府軍が18ヶ月包囲している政府派の村につながる道路上にある(Hayan)も砲撃したと言いました。「政府軍はこの地域で、反政府軍の主要な補給路であるアレッポからトルコ国境へつながる道路を封鎖すること、ヌブル(Nubl)とザーラ(Zahraa)への道路を解放する、という2つの目標を持っています」。
月曜日、政府派の新聞「al-Watan」は、政府軍は今週、アレッポを完全に包囲することを狙っていると報じました。
アナリストは、政府軍の進展は国連特使スタファン・デ・ミストーラ(Staffan de Mistura)が提案した地域的停戦「freeze zone」のチャンスを失わせると言います。
月曜日、イスラム過激派に属さない反政府派戦闘員の同盟、革命司令評議会(the Revolutionary Command Council:
RCC)は、ミストーラ特使が偏向し、シリア国民の革命に対して不誠実な態度をとったと非難しました。
金曜日、ミストーラ特使は、アサド大統領を暴力を低減する解決策の一部だと言いました。
ミストーラ特使の広報はRCCの声明に懸念を表明しました。
アレッポの反政府派は政府が地域的停戦を増援のために利用するとの懸念を表明し、この地域のイスラム国の民兵にどう作用するかを疑問視しています。
記事は一部を紹介しました。
先日、シリア軍は長くないという反政府派の声を聞いたばかりでしたが、アレッポが包囲されるとしたら、話はまったく変わります。
ここ何年も、シリア内戦の状況は不明確なままです。普通なら政府軍が押し切るところですが、そうなる気配はありません。
もしかしたら、これは政府派向けの大本営発表で、実際には包囲などできないのかも知れません。アレッポは大きな街で、その外周を幹線道路だけでも包囲するのは、かなりの人員が必要です。シリア軍にそんな兵力の集中が可能とは、にわかには考えられません。もちろん、外部からの応援が多いのなら別です。
一方で、反政府派からミストーラ特使の発言に対する反発が出ていることは、この地域で反政府軍が劣勢ではないことを連想させます。このまま押し続けた方が、シリア軍が地域的停戦により増援を受け取るよりもよいと反政府派が考えるのなら、それは彼らが劣勢ではない証拠となります。
なので、あまり心配する気になれないのも間違いありません。もちろん、すべての状況を確認したわけではないので、不確実性は排除できませんが。
どちらが正しいのかは、シリアに行って、現地をあちこち見て回るしかありません。こういう時にジャーナリストの情報は重要なのです。当面、そういう情報はまったく手に入りません。困ったものです。
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