イスラム国の石油収入が激減
alarabiya.netによれば、米国防総省は、イスラム国はもはや、テロ活動に資金を供給する主要な収益源として石油に依存していないと言います。
「私たちは石油の収益が、もはや彼等のドル収入の主要な源泉ではなくなったことを知っています」と、国防総省広報官、ジョン・カービー海軍少将(Rear Admiral John Kirby)は言いました。
イスラム国の収入喪失は、彼らが文字通り置換できない多数の車両の損失により、戦場における損失によって増加しました。「彼らは欲しいものなら何でも盗まなければならず、その数は限られています」。その代わりに、イスラム国は収入の主要な源泉として大量の寄付に頼っています「彼らは進行中のブラックマーケット計画も持っています」。
ロシアが議長を務める国連安保理は昨日、イスラム国への金の流れを断つように各国に対する圧力を増すために、法的な拘束力のある決議を立案中だと発表しました。
「我々は(決議を)準備中で、それが数日中に安保理で承認されることを望んでいます」とロシアの国連代表団広報は言いました。
米国防総省はイスラム国が領土を失いつつあると考えます。「彼らは変化しています。彼らは主に防御態勢にいます。彼らは新しい領土を獲得していません」とカービー少将は言いました。「だから、彼らは領土を失っています。いま、彼らは通信線と補給路をより心配しています」。
「7ヶ月前とは違うグループです。私は彼らが今でも危険ではないと言うつもりはありません。私は彼らが今でも野蛮ではないと言うつもりはありません。しかし、彼らは違うんです。彼らの性質、彼らの行い、彼らの振る舞いが違うのです。そして、それは進展の兆候です」。
記事は一部を紹介しました。
石油収入に関する具体的な数字も欲しかったところですが、イスラム国が阻止されたことは、当サイトで繰り返し説明的してきました。
イスラム国は攻撃の限界点(自衛隊でいう攻勢終末点)を越えています。
これは進撃すればするほど、補給線が延びて、最前線への補給が困難になり、遂には進撃ができなくなるということ。ナポレオンがロシアに遠征して負けたのが好例です。
次の段階は反撃です。その準備も進んでいます。イラクのモスルを奪還し、ユーフラテス川沿いに進撃するのが中心になります。
この段階では、イラク軍とクルド軍だけでなく、ヨルダン軍やトルコ軍が加わる可能性があります。トルコは最近、イスラム国要員5人を初めて国内で逮捕しており、路線変更の兆しがあります。米軍が地上軍を使う可能性もあります。かねてから、米軍は最終段階では地上軍投入の可能性があるとしてきました。
イスラム国をラッカに向けて追い詰め、包囲網を狭めていくのが戦略の中心となります。ラッカが拠点なのは、彼らにとって弱点です。攻められたら、逃げるのが大変です。幹線道路は監視され、空から攻撃を受けます。 車両が不足しているらしいのが、非常に好材料です。砂漠では、車がないと生きていませんから。
そこまで行かなくても、石油収入が激減することで起きる資金不足。トルコが取り締まりを厳しくすることによる必要物資の激減は、イスラム国を衰退させます。兵士の脱走や分裂が起きるかも知れません。
イスラム国が滅んでも、形を変えた別の組織が生まれる可能性があります。現在の傾向は当面続きます。
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