ヨルダンの対イスラム国政策の転回点
alarabiya.netによれば、イスラム国によるヨルダン人の火あぶりは過激派に対するヨルダンの戦いの転回点となると、フセイン・マジャリ内務大臣(Interior Minister Hussein Majali)が土曜日に言いました。
3日目に、ヨルダンは土曜日にイスラム国の攻撃目標に対して空爆を行いました。同じ日、米主導の同盟国はイスラム国に対して26回の空爆を行いました。
マジャリ大臣は、テロ組織の施設、武器貯蔵書、訓練所を破壊した木曜日のヨルダンの空爆は、彼らを完全に殲滅する作戦の始まりだったと言いました。「ヨルダンはこのテロ組織に対して報復する権利があります。そして、我々はそれがどこにあろうと追求するでしょう」「歴史はヨルダンが(そうした攻撃に)報復を、どれだけ時間がかかっても忘れないことを示します。我々はこれに対処するための資源を持っています」「英雄の日、殉教者であるパイロットの暗殺は、臆病者のテロ組織が行った恐ろしい犯罪に直面しての、ヨルダンの歴史の転回点です」。
記事は一部を紹介しました。
先日書いたように、ヨルダンの地上軍がイスラム国への支配地域へ進撃する事がむずかしいため、ヨルダンは急に地上戦をはじめることはできません。当面は空爆を継続し、国民の不満を解消することになります。
しかし、イスラム国をラッカに追い詰められる見通しが立つのなら、ヨルダンは積極的に地上戦に参加しようと考えるはずです。特に、ラッカにはカサスバ中尉の遺体が放置されていて、英雄の遺体を回収したいという動機が強く働くはずです。
イラク軍がユーフラテス川沿いに東から進撃し、北部のアクチャカレからトルコ軍が南下、西のアレッポからは自由シリア軍が進撃、タブカダムとタブカ空軍基地、南部への道路を封鎖するために米軍の空挺部隊が投入。ヨルダン軍はイラク軍と共に進撃するか、シリア南部から砂漠を横断していくかでしょうね。補給の観点からは前者が選ばれる可能性が高いと言えます。
一部のイスラム国はアルカイダ部隊に復帰しようとするかも知れません。裏切り者でも追い詰められた場合、アルカイダがイスラム国を救う可能性は十分にあります。その合流はできる限り防がなければなりません。テロ組織の完全壊滅はむずかしいのです。テロ組織を作らない政策も重要です。
ところで、有志連合に日本が参加済みとされていたことについて、これは集団的自衛権の行使にあたる、つまり憲法違反であると私は考えます。集団的自衛権は国連決議による紛争への対処が行われる前に、複数の国が共同で行う防衛活動です。アフガニスタンへの介入は米主導の有志連合と国連決議によるISAFの二つがあり、前者は国連が個別的・集団的の両方の自衛権行使と確認しています。今のところ、イスラム国に対する攻撃は明確に認定されていないものの、その性質から言って、疑いは極めて濃いと言うべきでしょう。
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