アメリカがウクライナに非致死性兵器を提供
military.comによれば、ジョー・バイデン副大統領(Vice President Joe Biden)とウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領(President Petro Poroshenko)大統領は水曜日、アメリカがウクライナにさらに支援を送る事を決め、ロシアが支援する分離主義者が停戦合意を破り、国際監視団を締め出しているとの懸念を表明しました。
匿名を希望する米当局者は、支援には手投げ式のレイヴン小型無人偵察機システム(Raven)が含まれると言いました。アメリカは重装甲ハンヴィー30台、通常型ハンヴィー200台、無線機、対迫撃レーダー、その他の装備も送ります。これらすべては非致死性兵器で、無人機は武装していません。
ハンヴィーを含まない無人機と装備品は約7500万ドル相当。何機の無人機が送られるかやハンヴィーのコストは不明です。
民主党と共和党の議員団は繰り返しオバマ大統領に、ロシアが支援する反政府派からウクライナを守るために非致死性兵器を提供するよう要望していました。
ヨーロッパ・ユーラシア問題担当国務副長官ビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)は、上院外交委員会に火曜日、オバマ政権は依然として致死性の支援を議論し、先月停戦を実現させたいわゆるミンスク合意が実行されているかを注視していると言いました。ヌーランドは、ここ数日間で、ロシア製戦車、装甲車、重砲とロケットが東部ウクライナの分離主義者の境界線を越えて運ばれたと言いました。
記事は一部を紹介しました。
現段階では妥当な支援内容でしょうね。レイヴン無人機(RQ-11)は手投げ式で、事前に設定したコースを自動的に飛んで戻ってくるので、操作が楽です。少し訓練すれば使えるようになります。
しかし、対迫撃レーダーはかなり強力な力になりそうです。迫撃砲の軌道を即座に解析して、発射地点を割り出すので、対砲兵射撃が可能になります。つまり、戦線の後方にいる砲兵隊の位置が分かるので、砲が移動する前に砲撃できるのです。
ロシアの狙いはウクライナのNATO加盟を防ぐために、紛争状態を続けることにあるとの意見がありますが、これが的確かもしれません。NATOに加盟するには紛争状態にないことという条件があるので、ロシアは適当にウクライナを攪乱しておけば、ウクライナはNATOに加盟できないという訳です。
もちろん、NATOが規約を改正して、紛争がある国も加入できるようにすることは可能です。加入を希望しながら、人道的な危機を抱えるような紛争に巻き込まれている国を救済するために、緊急的加入を認めるといった考え方です。
これをやれば、ロシアが本格的にウクライナに侵攻するかもしれません。そうなると、国連の枠組みは一層傷つきます。理事国が他の国連加盟国と争う形になるからです。
というわけで、アメリカもロシアも事態を急速に悪化させることはないものの、明確な解決方法もないので、紛争はダラダラと続くという形になります。
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