リビアで民兵組織とイスラム国が戦闘

2015.3.16


 alarabiya.netによれば、リビアのシルテ(Sirte・kmzファイルはこちら)でイスラム国民兵とファジル・リビア民兵連合(the Fajr Libya militia coalition)の戦闘員が土曜日に衝突しました。

 これは、ファジル・リビアが街の治安を回復するために増援を送ると言った2月以降、二つのグループが戦った最初の報告です。

 この動きはイスラム国傘下の民兵が政府ビル、地元大学、国営ラジオ局を占領したという報告に続いて起こりました。

 シルテの地元治安当局は土曜日、戦闘がイスラム国が布陣するシルテの東部で正午に始まったと言いました。当局者は何がそれを始めたかは言えませんでした。

 激戦について話したファジル・リビアの指揮官、モハメッド・アル・アジタル大将(General Mohammed al-Ajtal)は、部下が一人死んだと言いました。

 昨年夏、イスラム民兵で構成されるファジル・リビア連盟は首都トリポリ(Tripoli)を占領し、そこに自身の政府と議会を樹立して、主要なプレイヤーとなりました。

 テロリズムを定期的に非難する一方で、ファジル・リビアは急進派のアンサル・アル・シャリア(Ansar al-Sharia)との関係を維持します。アンサルはシルテに存在しますが、イスラム国のリビアでの存在を認めません。アンサルはアメリカにテロ組織に指定されました。

 シルトから東に120kmの町、ヌフリヤ(Nufliyeh)はデルナ(Derna・kmzファイルはこちら)と共にイスラム国の拠点とされています。デルナは2月にエジプトの空爆を受けました。


 記事は一部を紹介しました。

 イスラム国がリビアに転戦できるかは重要な問題です。おそらく、すでに最近志願した外国人戦闘員はシリアとイラクではなく、リビアに送られているはずです。

 シリアかイラクにいるとされるイスラム国の指導者、アブ・バクル・アル・バグダッディがリビアへ移動しているかは不明です。彼が最後まで現在地で戦うか、リビアへ移動するかはイスラム国の趨勢に大きく影響すると考えられます。

 そして、どうやらリビアでは現地の民兵組織に歓迎されないようだという徴候が、この記事に出ています。シリアとイラクでは一部の現地勢力がイスラム国に協力したので、彼らが勢力を伸ばせたという経緯があります。現地でイスラム国が最初から反発を受けるのなら、勢力拡大は難しいと考えられます。この辺に注意しながら、リビア情勢を見ていく必要があります。

 


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