バグダッディの消息に関して異なる情報

2015.4.22


 BBCによれば、イスラム国の指導者、アブ・バクル・アル・バグダッディ(Abu Bakr al-Baghdadi)の消息について、異なる報告が出ています。

 イラク内務省広報官は、バグダッディは3月に同盟国の空爆で重傷を負ったと言いました。ガーディアン紙(The Guardian)は西欧外交官とイラク人顧問が空爆はイラク西部だったというのを報じました。米国防総省はバグダッディの生死に関しては情報がないと言いました。

 彼が負傷したという昨年の報告は不正確でした。

 イラク人広報官、サード・マーン准将(Brig Gen Saad Maan)は火曜日、バグダッディは空爆で重傷を負ったと言いました。彼はどの国が空爆を行ったのか詳細を伝えず、同盟国の空爆だったとだけ言いました。

 一方、イギリスのガーディアン紙は西欧の外交官とイラク人顧問が3月の空爆がシリア国境付近で起きたと認めたと報じました。顧問のヒシャム・アル・ハシミ(Hisham al-Hashimi)は「はい。彼はアーム・アル・ロウス村(Umm al-Rous)近くのアル・バージ(al-Baaj)で3月18日に負傷しました」とハシミは言いました。攻撃は3台の車列にいるイスラム国の地元指導者を狙い、当局者はその時にバグダッディが車両の一つにいることを知らなかったと、同紙は言いました。同紙は、バグダッディの負傷は最初命を脅かしましたが、その後、ゆっくりと回復したという、別の情報源を引用しました。

 しかし、彼はイスラム国の長としての日々の責任へ復帰していません。

 ワシントンでは、国防総省広報官、スティーブ・ワーレン大佐(Col Steve Warren)が、米軍はバグダッディの生死に関する情報は持っていないと言いました。彼は先月浮上した、バグダッディがその日の空爆の攻撃目標ではなかったという同じ報告を付言しました。これとは別に、ワーレン大佐は「我々にはバグダッディだったという理由がありません」と言いました。

 バグダッディは彼自身、居場所について少しでも公表する事に注意し、自身の戦闘員とすら顔を合わせて話さないとされています。イスラム国の指導者は指揮官達に話すために仮面をつけ、「見えない族長(the invisible sheikh)」とのあだ名をもらっています。


 記事は一部を紹介しました。

 3月の空爆は承知していませんでしたが、1月と2月にはバグダッディが死傷してもおかしくないような空爆があったと報告されており、当サイトでも紹介しました。(記事 

 分かっているのは、バグダッディが長期間、公の場に出ていないということです。昨年は映像付きの声明が出されたりしましたが、その後は文相だけの声明も耳にしていません。死亡説が出るのも当然です。

 彼が死んでいても、まったくおかしくありません。 昨年から、何度も幹部の会合場所や車列を空爆しているのです。その中に彼がいたとしても不思議ではありません。国防総省は彼の遺体を回収するなどしない限りは死亡を認定しません。

 また、彼の死亡がどれだけイスラム国の威信に影響するかも疑問です。アルカイダはオサマ・ビン・ラディンが死亡した後、少し威信を落としましたが、それは彼らの活動が不活発になったことも大きく影響していると考えられます。イスラム国は別の道を辿るかもしれません。


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