アメリカ人も日本の軍事的枠割の拡大に躊躇
military.comが日本の軍事力に対する世論調査を報じました。
ワシントン市の「Pew Research Center」の世論調査の結果は、
二カ国がこの地域における日本の軍事活動の範囲拡大を期待する相互防衛ガイドラインの見直しに合意する時に出ました。
日米それぞれ百人への電話調査は二カ国間の高い信頼を見いだしました。
●軍事的役割について
アジア太平洋における日本の軍事的役割拡大に賛成
アメリカ
はい 47%
いいえ 43%
日本
はい 68%
いいえ 23%
●1945年の広島と長崎への原爆投下は正しかった
アメリカ
はい 56%
いいえ 34%
日本
はい 14%
いいえ 79%
以下はアメリカ人のみへの問いです。
●安倍晋三を知らない
はい 73%
●ベストセラー作家村上春樹を知らない
はい 69%
●野球選手鈴木一郎を知らない
はい 32%
調査はアメリカでは2月12日〜15日に固定電話と携帯電話で、日本では1月30日〜2月12日に固定電話(日本の79%を網羅)のみで行いました。サンプリング誤差はアメリカ±3.6%、日本は3.2%。
記事は一部を紹介しました。貿易分野の問いもありましたが省略しました。
この調査は政治の中枢、ワシントン市で行われているので、他の地域での調査はまた別の結果が出るでしょう。政府職員も多いでしょうから、街全体が政府寄りの意見を持っている可能性が高いといえます。
「二カ国間の高い信頼」と書いてあるからそう訳しましたが、日本の軍事的役割の拡大に賛成と反対がほぼ拮抗しているので、あまり強い期待はないものと考えています。80〜90年代の貿易問題の質問でよい数字が出たので、それが加味されているのかも知れません。
原爆に関する質問は、大体こんなものでしょう。アメリカでは一般的には原爆投下は正しかったと考えられています。しかし、アメリカの歴史専門チャンネルの番組は歴史家が監修するので、必ず、原爆投下は必要なかったと説明されています。アメリカ人がそう思うのは、被害の程度は脇に置いて、原爆投下がなく、戦争がさらに続けば、米軍により多くの被害が出たと考えるからです。終戦の手続きはずっと前から進んでいたという事実は忘れられるのです。
日本人としては、「原爆はそもそも違法な都市爆撃の延長上にあったこと」「放射線による被害は長期間に渡り、大きな被害をもたらしたこと」「核兵器は通常兵器のようには使えないこと」と積極的に発言していく必要があります。
余談ですが、私が上映の署名活動をやっている「Unbroken」にも爆撃のシーンがあります。東京が爆撃された後、連合軍捕虜が新潟へ汽車で移動するシーンがあります。駅まで廃墟の中を徒歩で移動する捕虜たちの顔に誇らしさはありません。これはアンジェリーナ・ジョリー監督の指示による演技と私は思っています。都市爆撃は二度と繰り返されるべきではないとのメッセージでしょう。
安倍総理がアメリカ人に知られていないのは、日本の総理大臣がアメリカのメディアが取り上げるような発言をするとか、政策を発表することがないからでしょう。仮に、いまシリアのヤルモク難民キャンプを救済するために、日本が巨額の資金を提供し、現地で活動を行うと発表したら、ワシントン・ポスト紙は間違いなく記事にするでしょう。そんな活動を何もしないから、名前も知られないのです。
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