米特殊作戦軍がシリアでイスラム国幹部を殺害
military.comによれば、ホワイトハウスは土曜日の朝、米軍がイスラム国の主要な指導者を急襲して殺害したと言いました。
イラクに拠点を置く米チームは、指導者アブ・サヤフ(Abu Sayyaf)と彼の妻、ウム・サヤフ(Umm Sayyaf)を拘束したと、国家安全保障会議の広報、バーナデット・ミーハン(Bernadette Meehan)は言いました。
ホワイトハウスによれば、アブ・サヤフはイスラム国の高官で、その役割は不法な石油、ガス業務を監督する役割を担っていました。彼は軍事作戦にも関わっていたとされます。
作戦中に米軍に死傷者は出ませんでした。
サヤフは銃撃戦の最中に死んだと伝えられました。
米情報当局者がイスラム国のメンバーでテロ活動で重要な役割を担うと疑うウム・サヤフは拘束後、イラクの米軍施設で尋問されています。
急襲作戦は夫婦の奴隷として捕まっていたとみられる若いヤジディ派女性を解放させもしました。
ホワイトハウスは、オバマ大統領と国家安全保障会議は十分な情報を集め、任務が成功すると確信すると、すぐに作戦を承認したと言いました。
国防長官は米特殊作戦軍に、サヤフと妻の拘束のため、シリアのアル・アミル地域(al-Amr)に入るよう命じたと言いました。
記事は一部を紹介しました。
オバマ政権はかねてから、シリアへ地上軍は派遣しないと言っていました。しかし、特殊作戦までは否定していませんでした。地上戦とは、陸軍を中心に海兵隊の大部隊を使い、隣国から攻め込むような作戦を指します。
この場合、作戦が失敗して、部隊が離脱に失敗し、敵に囲まれるような事態は許容できません。つまり、現場だけでなく、周囲に駆けつけ可能な敵がいないかも調べる必要があります。現場の兵数が少なく、援軍も来ないか、来ても少数の場合、作戦が行われます。
現場の位置は明確に確認できていません。デリゾールには「al Bo-amr」という地名はあります。畑の中に家屋が点在するような場所なので、襲撃の適地ではあり、ここが現場の可能性はあります。
逆に見ると、イスラム国は急襲を受けそうな場所に幹部を置かないことが大事なのです。今のところ、これについてイスラム国があまり注意を払っているようには見えません。
記事にはサヤフが銃撃戦で死んだと書いてありますが、銃撃戦すら避けるべきなのが急襲作戦です。サイレンサーを使い、できるだけ静かに敵を殺すべきであり、実際はそういう状況だったのかも。
国防長官がアブ・サヤフを殺し、ウム・サヤフを拘束しろと命じたという点は興味深いですね。急襲作戦はねらい通りに行かないこともあります。「妻だけ生け捕り」と命じても、状況が許さないこともあるのです。もちろん、無理な場合は殺害を許可するという条件がついていたとは思います。
気になるのは、救出したヤジディ派女性の存在に米軍が最初から気がついていたかということです。国防長官がそう命じたとは記事にありませんが、実際どうだったのかが気になります。
現場で彼女が奴隷だと見分けた理由は何だったのでしょうか?。
戦果はあがったものの、テロ組織は指導者を暗殺しても、その勢力はあまり変わりません。それでも可能な限りは実行しないと将来的な勝利が見込めないのも確かです。まずは死傷者なしで済んだことを喜ぶべきなのでしょう。
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