クルド人がコバネからイスラム国を追放

2015.6.28


 BBCによれば、イスラム国民兵はコバネ(Kobane)から追い出されたと、クルド軍と人権団体が言いました。

 人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は206人の遺体が見つかり、多くは銃創があったと言います。

 クルド軍YPGの公報、リドゥ・ゼリル(Redur Xelil)は、イスラム国のメンバー約8人がトルコ国境へ向けて脱出したと言いました。「まだ彼らが隠れているかも知れない近隣で捜索活動が続いています」「街は現在静かです」。

 コバネの活動家、ムスタファ・バリ(Mustafa Bali)はコバネは「完全に掃討された」と言いました。「クルド軍は現在、隠れているかも知れない戦闘員を探して街を徹底捜索しています」。

 地元ジャーナリストのルーディ・モハンマド・アミン(Rudi Mohammad Amin)は、より多くの人たちがまだ行方不明だと言いました。彼は、民兵たちが男子中学校で最後の抵抗をしたと言いました。「YPGは学校の外で爆発物を爆発させ、それから突撃しました」「個の軍事作戦は学校の中に民間人がいないことを確認した後に行われました」。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)はクルド人がシリア北部で自身の国を建国することを許さないと誓約しました。彼は今週、コバネへの攻撃でイスラム国と共謀したという告発も否定しました。


 記事は一部を紹介しました。

 alarabiya.netは爆発の後で、クルド軍がイスラム国民兵の追放を発表したと報じ、爆発がイスラム国が占領した国境なき医師団の基地で起きたと報じました。しかし、その情報源はイラクのテレビ局ですから、BBCの報道の方が正確のようです。

 被害者は200人を越え、さらに拡大する様相を見せています。しかし、被害者の数だけにとらわれるのは、紛争を観察する態度としては不十分なのです。イスラム国が学校に立て篭もったのは、彼らの人数が少数であったことを裏づけます。トルコへ8人が逃げたこともそれを裏打ちします。トルコがイスラム国と共謀したかは分かりませんが、少なくとも見て見ぬふりをしているのは間違いがありません。今後もコバネへの攻撃はあるかも知れませんが、大規模なものではないでしょう。これくらいのことを予測しておかないと、イラク内戦を考えることはできません。

 


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