F-35が演習でF-16に負けた理由は?

2015.7.2


 military.comによれば、米国防総省のF-35統合計画局(F-35 Joint Program Office)は、テストパイロットのアナリストがドッグファイトのテストシナリオで航空機がF-16よりも劣っていることが分かったと主張したという最近のニュースに対して新型航空機を擁護しました。

 ブログ「War is Boring」で報告されたテストパイロットの評価は、1月のテスト期間中にF-35AはF-16を振り切ることができず、ドッグファイト演習で銃撃を避けることができなかったといいます。

 Military.comが受け取った1月14日の報告書のコピー「F-35Aの高迎角作戦機動」は、この航空機が旧式の航空機に対する空対空ドッグファイトのテストシナリオで、エネルギー機動が不足していたといいます。「全般的に、視認下での交戦におけるF-35Aの最も顕著な特徴はエネルギー機動の不足でした」と報告書は記しています。「限られたF-16の標的配置と同様に、F-35Aはすべての交戦で明らかにエネルギーが不利なままでした」。

 テストパイロットの報告はF-35Aのエネルギー機動は、より小さな翼、同程度の重さと15,000ポンドのアフターバーナー推力のために、プラット・アンド・ホイットニー229エンジンを搭載したF-15Eよりも劣っているといいます。

 「従って全般に、このジェット機の高迎角能力は続く機動力の潜在力を大きく下げることなしに効果的に用いることはできませんでした」。テストパイロットの評価は、F-35のヘルメットはパイロットが効果的に航空機の背後を見るには大きすぎるとも主張しました。「(座席に遮られたのではなく)敵機が見えない、ヘルメットが敵機を見る位置を遮った複数の状況がありました」。

 しかし、F-35統合計画局はテストパイロットの評価を称賛し、歓迎しながらも、「War is Boring」の記事は問題の主要な要素と重要な背景を無視しているといいます。

 「F-35とF-16に関するメディアの記事は物語全体を語りません。該当のF-35はAF-2で、飛行科学や飛行性の試験のため設計されました。それは今日生産されるF-35を造るアイテムのいくつかを装備していません」と同局の声明は言いました。

 特に、声明はAF-2試験機は次世代のセンサーを活用するために設計されたミッション・システム・ソフトウエアを持っていないと説明しました。つまり、F-35は航空機の認識と探知、より長距離での敵目標の破壊を助けるための次世代センサーのセットで設計されました。「ドッグファイトのシナリオはF-35の能力を限界を超えることなくそれに沿って、ポジティブで予想通りの方法でするのを示すことに成功していますが、シナリオの結果の解釈は誤読されかねません」。

 同局は、AF-2試験機は航空機を敵レーダーから見えなくするよう設計されたF-35の特別なステルス塗装も装備していないと言いました。さらに、声明はAF-2はF-35パイロットにヘルメットを使って武器を回転し、照準したり、航空機を標的に向けることなく敵を攻撃させる武器やソフトウェアを持っていないと言いました。最後に、同局はシミュレーションされた戦闘シナリオは4機のF-35が4機のF-16に対抗した時に処理したことを示すと言います。「F-35はそのセンサー、兵器、ステルス技術でそれぞれの戦いに勝ちました」。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事をどう読むかは微妙です。国防総省にはここ専用の言語があるといわれるくらい、特別な話法があります。この声明がF-35の問題点を柔らめるために書かれたかどうかは慎重に判断する必要があります。特に空軍はその傾向が特に強い部門なので、専門用語に幻惑されるのは防がなくてはいけません。ベトナム戦争でも増派が必要だという国防総省の要請をホワイトハウスは退けることができなかったのです。特に、軍事オタクの皆さんは、こういう場合、空軍の言いなりです。

 ドッグファイトの詳細が分からないと、AF-2が搭載していない装備が結果にどう影響したかは判断できません。参加した機が長距離で向き合った状態から模擬戦闘を開始したのか、近くですれ違ってから開始ししたのかでは、装備の違いは大きく影響します。

 時間がないので「War is Boring」の記事までは紹介できませんが、興味のある方はリンクから記事を探してみるとよいでしょう。

 


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