アレッポで反政府派合同軍が攻勢中

　BBCによれば、シリア軍は反政府軍がアレッポ（Aleppo）の支配を得るために大規模な攻勢を開始した後で連続した空爆を行いました。

　人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は反政府派が木曜日に数百のロケットと砲弾を政府支配地域の少なくとも７カ所に撃ち込んだと言いました。金曜日の朝までに、彼らは少し前進しました。しかし、シリア国営通信社「Sana」は、攻勢は撃退され、テロリスト100人以上が殺されたと言いました。

　かつてシリアの商業と工業の中心地だったアレッポはほぼ３年間、西側の政府支配地域と東側の反政府派支配地域によりほぼ半分に分断されてきました。

　地上の戦闘と政府軍の空爆は数千人を殺し、世界遺産の旧市街の60％以上を破壊しました。しかし、ここ数ヶ月、反政府軍は隣接するイドリブ州（Idlib）の大半と同じく、政府軍を北部の田園地帯の数地域で追い出しました。

　2011年３月に内乱が始まってから、230,000人以上がシリア国内で殺されたと考えられています。他に約1,150万人（シリア人口の半分以上）が家を追われました。

　反政府派は主要な政府施設を占領しようとしましたが、効果は僅かでした。木曜日、13のイスラム主義グループとアルカイダ傘下のアル・ヌスラ戦線はいくつかの戦線で共同攻撃を始めるために協力しました。

　声明はアンサル・アル・シャリア（イスラム法の遊撃隊）とよばれる新しい同盟の狙いは「アレッポとその田園地帯の解放」で、その後、彼らはその他のグループと共にイスラム法に従って街を統治するために活動すると言いました。

　西欧が支援するグループも、ファタハ・ハラブ（アレッポの征服）と呼ばれる合同作戦室を通じて組織され、彼らが攻勢に参加していると言いました。

　反政府軍は政府軍が支配する街の西武地区で同時攻撃を開始し、ロケットと砲弾を数百発撃ちました。

　BBCのジム・ミュアー記者（Jim Muir）は、最初の想定される目標はザーラ地区（Zahra）の嫌悪と恐怖の的である空軍情報部本部です。反政府軍は何度もそれを占領しようとして失敗してきました。攻勢は３月に新しい反政府派の同盟、ジャイシュ・アル・ファタハ（Victory Army・勝利の軍隊）がイドリブ（Idlib）を占領したのに続いて、何度か積み上げられてきました。この違いを作るのは、かつては競い合っていた反政府グループとトルコ、カタール、サウジアラビアのような支援国がいまや互いに協力し合っているように見えることで、シリア政府にとっては悪いニュースです。新しい作戦の成功はシリア政府がアレッポを守り抜くと本気で決心するかどうかです。もしそうなら反政府派の進展は遅く、難しいでしょう。

　人権団体は戦いが金曜日の早い時刻にも続いていて、主要な治安施設がある堅固に防衛されたザーラの戦線に集中したと言いました。反政府派の集中砲火で少なくとも９人が死亡し、数十人が負傷しました。シリア軍は反政府軍陣地への激しい爆撃と砲撃で応じ、戦闘は数時間続きました。

　金曜日の朝、シリア軍筋は国営通信SANAとロイターに、攻撃は撃退され、反政府側に大きな犠牲が出たといいました。

　人権団体は反政府派がアレッポ北西部郊外の建物いくつか占領したものの、獲得したものは戦略的に重要ではないと言いました。

　ミュアー記者は、反政府派がアレッポを占領したらシリア政府にとって大きな打撃となると言います。ここ数週間、限られた人的資源でシリア西部の核心的地域を守るため、北部の街と南部のダレア市（Deraa）の両方を放棄する準備をしているとの継続的な報告があると彼は付け加えました。しかし国営メディアは首相がいまアレッポにいて、前線部隊を訪問し、再建と行政のための費用のために多額の資金を市当局に分配したと報じました。

　記事は大半を紹介しました。

　現在の戦況図が元記事に掲載されているので、リンクをクリックして見てください。非常に興味深い状況であることが分かります。政府軍は街を外から包囲しようとしていて、その輪が完成しかかっています。しかし反政府派は西方から攻撃していて、その輪が閉じられるのを防ごうとしています。北部の政府軍の突出部が切り取られると、反政府派側が有利になります。微妙な情勢です。

　さらに興味深いのはミュアー記者が言う、政府軍がアレッポとダレアを放棄しようとしている報告です。これが本当なら、反政府側はかなり有利になります。

　大きな変化が起こる可能性が出ていますが、何も起こらない可能性もあります。シリア内戦はそういう戦いです。どうなるのかしっかり見ていく必要があります。