タリバンの対抗勢力がイスラム国に参加

2015.7.8


 military.comによれば、アフガニスタンの最大の武装勢力の一つが国を支配すべくタリバンと戦うためイスラム国に参加し、アフガン情報期間に新しい脅威と戦うために特殊部隊を創設させました。

 グループのウェブサイトに載った声明によれば、40年以上のアフガン戦争の立役者であるヘジブ・エ・イスラミ(Hezb-e-Islami)の指導者で、元首相のグルブディン・ヘクマチャル(Gulbuddin Hekmatyar)は彼の軍隊に、国への影響力を拡大するイスラム国の活動を支援するよう命令しました。

 「タリバンはヘジブ・エ・イスラミを最大の敵と見ています」とヘクマチャルは声明で言いました。「タリバンはヘジブ・エ・イスラミの宿敵だから、タリバンとイスラム国の間に戦いがあれば、イスラム国を支援しなさい」。

 主に北部と東部で活動するヘジブ・エ・イスラミはタリバンに次いで二番目に強力なテロ組織で、米軍とNATO軍に多数のテロ攻撃と内部攻撃を行っています。

 ヘクマチャルはタリバンがカブールを制圧し、6年間そこに留まった後、1977年にアフガンからイランへ逃げました。アフガンに戻ると、彼は2008年に主流の武装勢力の人間として姿を現しました。彼の戦闘員は、レグハム州(Laghman)で米兵を運ぶヘリコプターを撃墜したのを含む、2008年1月の多数の注目を集めた攻撃を行ったと考えられています。最近は4月に、彼のグループはアフガン東部で同盟軍への内部攻撃を行ったと主張しました。この攻撃でジョン・ドーソン陸軍技術兵(Spc. John Dawson)が死亡しました。彼は昨年12月に戦闘任務が終了してから最初の犠牲者となりました。

 2010年、グループはアフガンと西欧当局と和平交渉をするために非公式な代表団をカブールに送りました。しかし、ヘクマチャルがカルザイ大統領と交替すると主張したため交渉は決裂しました。

 国家治安部の広報、ハシブ・セデキ(Haseeb Sediqi)は新しい対テロ部隊の発表の中で、イスラム国は我が国の治安に対する深刻な脅威で、我々の要員は非常に真剣にこの脅威に取り組みます、と言いました。国家治安部の一部である部隊は、イスラム国がアフガンと中央アジアに確立することを防ぐ新戦略に実行する責任を負うとセデキは言いました。彼は、イスラム国がヘルマンド州(Helmand)とナンガルハル州(Nangarhar)、ファラ州(Farah)で地歩を固め、ナンガルハル州でイスラム国に属する民兵と政府軍との相田に小競り合いがあったと言いました。

 4月に訓練支援司令部北部司令部(the Train Advise Assist Command-North commander)のアンドレアス・ハンネマン准将(Brig. Gen. Andreas Hanneman)は「アフガン北部の同盟軍指揮官たちは、イスラム国が中東で成した目を見張る進展に惹きつけられ、タリバン指揮官とその他の武装勢力グループに幻滅したことから、忠誠心がイスラム国へ移行するのを目撃しています」と言いました。

 しかしNATO指揮官たちはイスラム国のアフガン駐留を一層確信していません。彼らは一部のタリバン・ゲリラの結びつきは、さらに資金と支援を集めるために彼ら自身で再び結びついたものの、大きなプレゼンスはまだ見ていないと言います。


 記事は一部を紹介しました。この後にNATO軍による類似したコメントが続きます。

 この情報をどう評価するかは大いに迷います。イスラム国のプレゼンスが本当ならすでに時間もたっており、かなり進展しているはずです。

 アフガン政府が設立した対テロ部隊があてになると信じるほど楽観的にはなれません。アフガン人は特殊作戦を上手にやれた試しがありません。

 シリアのラッカ侵攻が近づいており、イスラム国は拠点を別の地域に移しているはずです。指導者層がシリアを脱出したかどうか、彼らがアフガンに移動したかが気になっています。

 ヘジブ・エ・イスラミだけではタリバンを倒すのは無理です。イスラム国が加わったらどうなるかは問題ですが、過去この国は断裂を繰り返してきたのだから、簡単には制服できないでしょう。アフガン人が外国人戦闘員が常駐することを望むとは思えません。再びアフガンが動乱期に入る可能性が増したのかも知れません。

 


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