イスラム国がアフガン人を爆殺

2015.8.13


 alarabiya.netによれば、タリバンはイスラム国戦闘員が縛られ、目隠しをされたアフガン人を爆発物で殺害するようにみえる映像を非難しました。

 アフガン東部の霧に包まれた草地の高地で撮影されたらしいビデオは、捕らわれた人たちをタリバンやアフガン政府と協力する背教者だと説明します。

 しかし、タリバンは彼らを民間人だと説明しました。「恐ろしいビデオはイスラム国とつながる誘拐犯が白髭を生やした部族長と村民を爆発物で殺害するところを示します」とタリバンは火曜日の声明で言いました。

 「イスラム教とイスラム教徒を装う少数の無責任で無知な個人によるこの犯罪と他の残虐な行為は許容できません」。

 タリバン自身、14年間の闘争で残虐行為を非難されてきました。

 このグループはイスラム国への一連の離脱で苦しみ、一部のグループは最近死亡したと発表された指導者ムラー・オマル(Mullah Omar)との離別を宣言しました。

 4分間以上のビデオは過激派のソーシャルメディアに日曜日に投稿されたとみられ、、アラビア語とパシュトン語のコメントがついていました。

 専門家は、シリアとイラクにカリフを確立するという過激派の間で有名なイスラム国の引力はタリバン内部の権力闘争を発展させるだけだろうといいます。

 オマルの息子と兄弟を含む一部のタリバン指導者は、新しい指導者、ムラー・アクタル・マンスール(Mullah Akhtar Mansour)に忠誠を誓うことを、彼を選ぶ過程が急で偏向しているといい、拒否しました。

 カタールの事務所長、タヤブ・アグハ(Tayeb Agha)はマンスールの指名に抵抗して先週辞任し、当局者2人も彼に従いました。


 記事は一部を紹介しました。

 イスラム国がアフガン領域内で活動を本格化している証拠といえる事件です。

 興味深いのはタリバンがこうした残虐な処刑を批判していることです。記事にもあるように、タリバンは奇妙な方法で人を処刑してきました。たとえば、戦車のキャタピラに罪人を縛り付けて、戦車を動かして踏みつぶすといったやり方です。今回、タリバンが非難したのは処刑の方法よりも、無実の者を処刑した点を責めているのでしょう。おそらく、処刑された人たちは無辜の人々だったと考えます。イスラム国は単にアフガンでの初戦果をあげ、宣伝材料とするために処刑を行った可能性があります。

 アフガン国内でイスラム国の存在を認めないNATO軍も、このビデオにより方針変更を余儀なくされるでしょう。

 もう一つ、この記事を読んだのは、先日のタリバン指導者を選び直す評議会の結果が書いてあるのではないかと思ったからです。ところが、何も書かれておらず、前に報じられた記事と同じことが繰り返されているだけでした。評議会は開けなかったのかも知れません。そんなことをしていると、イスラム国にやられるだけと思います。 タリバンの結束を望むような事態になるとは、数年前なら想像もできなかったことです。

 


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