米海軍がシールズに女性隊員の入隊を許可

2015.8.20


 military.comによれば、米海軍作戦部長は海軍は同じ非性別の細目と基準を満たすなら、女性をシールズ隊員にする準備ができていると言いました。

 「なぜこれらを満たす者たちが誰も受け入れられてこなかったのでしょうか?。その答えは理由はないということです」とジョン・グリーナート提督(Adm. Jon Greenert)は言いました。「だから、我々は『ほら、誰でも非性別の基準を満たせば、シールズになれる』という軌道の上にいます」。グリーナート提督は特殊戦コミュニティはシールズのために訓練と入隊の厳格な客観的分析を行い、その基準が良好と分かったと言いました。これは次に、男女両方が接触することが許されるべきかという問題を起こすと、彼は言いました。

 海軍当局者はMilitary.comに、今後数週間で女性がシールズに入隊することが許されるかどうかの公式決定が行われると言いました。「我々はこの問題に関して海軍固有の研究をしましたが、これはより大きな共同の議論の一部でなければなりません。最終決定はより大きな共同の特殊作戦の議論の一部となるでしょう。決定は数週間内に行われるでしょう」。

 女性の潜水艦部隊への統合と海軍の仕事の96%は女性に門戸を開いていることを挙げ、当局者は女性の統合を考えている他の軍は海軍を実例として目を向けるかも知れないと言いました。

 グリーナートのシールズへの所見は、陸軍レンジャー学校を最初の女性が卒業する見込みなのに多くの関心が集まっている時に行われました。


 記事は一部を紹介しました。

 米軍は日本と違って、女性隊員の職種を増やせという要望に迫られています。女性の権利を主張する団体だけでなく、軍内部のグループからも要望が出されます。女性の将校のグループとか准尉だけ、下士官だけのグループなどがあり、それぞれが意見をまとめて軍に要望を出すことがあるのです。その結果、最近米軍内では女性の職種を増やす傾向にあります。

 しかし、戦闘職種で、最も過酷と言われる特殊部隊への入隊は躊躇されてきました。もっとも、アフガニスタンでは特殊部隊に女性が同行していました。現地女性と接するためには、宗教上接触が認められている女性が必要だったからです。イラクでも検問所で女性の身体検査を行うために女性隊員が配置されました。

 女性が男性中心の職場で働くことには問題もあります。潜水艦の女性将校用シャワーに隠しカメラを設置し、その映像が流出した事件があり、男性乗組員が逮捕された事件がありました(関連記事はこちら)。居住区域を分けられる潜水艦でこの状況ですから、特殊部隊の場合、問題は大きそうです。

 先のアフガンの事例では大きな問題は聞いていません。これは別の部隊から女性が派遣されてくるからで、問題を起こせば部隊にまたがる事件となり、特殊部隊隊員に自制心が起きたためでしょう。しかし身内意識が広がって、規律が緩む危険はありそうです。

 


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