宮内庁が玉音放送のデジタル版を公開
military.comは宮内庁が「玉音放送」のデジタル版を公表したことを報じました。
裕仁天皇の第2次世界大戦降伏放送のマスター版が終戦70周年に先立ってデジタル形式により命を吹き込まれました。宮内庁は土曜日、1945年8月15日のラジオ放送のマスター版のビニールレコードのオリジナルの音声を公表しました。「玉音放送」として知られる天皇による降伏の演説は1946年に米占領軍が作成した低品質のコピーしかありませんでした。宮内庁がデジタルリマスターした4分半の演説は同庁のウェブサイトで利用できるようになりました。(宮内庁のサイトはこちら)
新しいバージョンでノイズは依然として聞かれますが、宮内庁は「声のピッチとイントネーションは天皇の自然な雰囲気を反映し、本当の越えに近い」としています。
記事は一部を紹介しました。
今回公開された音声は、NHKが保管していたものと比べると確かに鮮明です。(NHKの記録はこちら)
military.comが報じたというので、何か特別なコメントが書かれているかと思いましたが、事実関係を淡々と書いているだけだったので、途中で訳するのを止めました。あちらとしては気を遣っているのでしょうね。
この玉音盤は徹底抗戦を叫ぶ近衛部隊が反乱を起こし、放送を阻止しようとして皇居に侵入し、強奪しようとした、いわゆる「宮城事件」が起こりました。彼らは行動に出るよう指揮官を説得しようとして失敗に終わり、第一師団長を斬殺して師団長印を奪い、偽の命令書を発布して部隊を動かしました。しかし、玉音盤は宮内庁職員により巧みに隠され、強奪を免れました。反乱は鎮圧され、翌日、玉音放送は無事に放送されたのです。もし、玉音盤が奪われていたら、降伏するという天皇の意図はバラバラに各地に伝わり、より大きな混乱を生んでいたかも知れません。
ミズーリ号の甲板で行われた降伏調印式では、各国の代表が署名する際に署名すべき位置を誤り、続く代表がずれた場所に署名を書き続けたので、日本の代表がこれでは法律書面として成立せず、持ち帰れないと抗議する騒動が起こったことは、あまり知られていません。
最初から最後まで混乱していたのが太平洋戦争でした。我々はまだその影響下に生きており、そのため参議院ではアメリカの指示で安倍内閣が提案した安保法案の審議が行われています。
思えば、太平洋戦争の複雑な状況を理解したくて軍事研究を始めた気がします。戦争を知ることで、より多角的に物事を見るべきと考えるようになり、心も豊かになったような気がします。残虐な殺戮行為を調べる内にそうなったというのも変な話ですが、もし、戦争を嫌って目を向けようとしなかったら、命の尊さもあまり考えない人間になった気がします。
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