ケリー国務長官がロシア軍の意図は不明と明言
BBCによれば、ジョン・ケリー国務長官(Secretary of State John Kerry)はシリアのロシア軍の増強はそこにいる自軍を防衛するために限定されているようだと言いました。
しかし、ケリー長官はロシアの長期的な意図は不明のままだと警告しました。火曜日の彼のコメントはロシアがシリアの2カ所の基地をさらに開発していることを示す衛星写真の公表に続きました。衛星写真はラタキア州(Latakia)の北の武器倉庫と軍施設で、新しい建設、整地、テントがあることを示します。ロシア軍の増強は、多数の軍用機と攻撃ヘリコプターがここ数週間で到着した、地中海の街の国際空港の南に集中していると考えられていました。2,000人の住居都と共に、戦車、対空システム、無人攻撃機、海兵隊200人も派遣されたと報じられました。
しかし、IHS Jane's社が公表した9月中旬以降の新しい衛星写真は、イスタモ武器倉庫(Istamo)とアル・サノバー軍基地(al-Sanobar)でロシア軍を受け入れるために準備が進行中であることを示します。
BBC特派員ジョナサン・マーカス(Jonathan Marcus)は衛星写真はロシアの軍増強のさらなる証拠であるだけでなく、これが何のためかという疑問への数少ない答えだと言いました。ケリー長官のロシアの意図は自衛だという見解は緊張を減らすための努力かも知れませんが、ロシア政府の動機について我々に理解をさせません。
明らかなのは、かなり大きな空軍の衛生部隊(地上攻撃機24機、多目的戦闘機小数)がラタキアの空軍基地に送られたということです。基地を攻撃から守るために、攻撃ヘリコプターと無人攻撃機が多数の追加された地上部隊と共にいます。しかし、IHS Jane's社の新しい証拠は少なくとも基地2カ所で地上軍を受け入れる準備をしていることを示します。
IHS Jane's社のインテリジェンス・レビュー誌の編集者、ロバート・ムンクス(Robert Munks)は「この活動は新しい建物、広範な地ならし、地面の整地と舗装、ロシア軍が使うのと同じタイプのテントの存在を含みます」といいました。
金曜日、セルゲイ・ショイグ国防大臣(Defence Minister Sergei Shoigu)はアシュトン・カーター国防長官(Defence Secretary Ashton Carter)に電話で、この開発は「実際上、防衛的」で、ラタキア市の南にあるタートス(Tartous)のロシア海軍施設を防衛することに集中しているといいました。
しかし、ロシアの軍用機が到着したことは、ロシア政府がアサド大統領を支えるために直接的介入を準備しているとの懸念を引き起こしました。ケリー長官は「今のところ、我が軍と専門家の判断は基本的に軍の防護を示すレベルとタイプだということです」と火曜日に記者にいいました。しかし、彼はロシアの長期的な意図は不明のままで、プーチン大統領にシリア内戦を終わらせるための国際的活動を支援するように要請するといいました。
記事は一部を紹介しました。昨日紹介するつもりが、都合で遅れてしまいました。
元記事には衛星写真が掲載されていますからご覧下さい。この写真を見る限り、増強はかなりのレベルです。自衛のためだけに地上攻撃機24機は不要で、これは反政府派を空爆するための兵器です。まだ明らかではないものの、武器倉庫にはさらに建物を建てるように思われます。記事にあるとおり、ケリー長官はロシアとの緊張を避けたくて、自制して発言していると考えられます。
ロシア軍は反政府派を攻撃し、攻撃目標はアルカイダやイスラム国だと主張するでしょう。自由シリア軍の一部はアルカイダと共闘しており、区別なく攻撃しても、そう主張できるのです。ブッシュ大統領が作り出した「テロとの戦い」という概念を、ロシアは最大限に利用するでしょう。
クリミア半島でもそうでしたが、ロシアが軍事力を用いて外交を行う時は、実にしたたかです。クリミア半島では西欧諸国の介入を招かないように細心の注意を払いながら、着実に軍事的支配を強めました。こういう相手に日本の外交は非常に不用心です。安保法案が通ると、新しい政治的目標を達成するために岸田外務大臣をロシアに派遣しましたが、軽くあしらわれてしまいました。国連本部で安倍首相はプーチン大統領に会い、年末に大統領の訪日を予定していますが、結果は同じでしょう。ロシアの態度は明らかに変化していますし、日本の外報方針は硬直したままです。戦時の外交を常とするロシアに比べると、日本の外務省が軍事オンチなのは明らかです。何の成果もあげられない可能性が高いと見ています。
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