シリア対策に関して国連は同床異夢
alarabiya.netによれば、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は火曜日、イスラム国を打倒することはバシャル・アル・アサド(Bashar al-Assad)が権力を失うことによってのみ達成できると言いました。
「シリアにおいて、イスラム国を打倒することには、私は新しい指導者が必要だと信じます」とオバマは約100人の指導者がいる対テロサミットで言いました。
ロシアはアメリカが招集したイスラム国を打倒するための1年越しの作戦を検討するためのサミットを低レベルの外交官を送り、軽視しました。
月曜日の国連演説で、オバマはウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)とシリア危機に関して論戦をかわしましたが、指導者たちは内紛を終わらせるために共同で活動することに合意しました。
アサドの去就は米政府とシリアの同盟国、ロシアとイランの間の論争の種です。これとは別に、イギリスは権力移行期間にアサドが権力に留まることを許しますが、長期間その座に留まることはできないと、デビッド・キャメロン首相(Prime Minister David Cameron)は火曜日に言いました。「アメリカが言うことに私は同意しますが、移行期間は必要ですが、はっきりしているのは、その終わりにはアサドはシリアの元首ではいられないということですと首相はCBSテレビで言いました。「アサドが依然として国を統治するならイスラム国を打倒できないのですから、うまくいかないのです」「アサドはイスラム国の徴募軍曹の一人です」「今のところ、問題はロシアとイランがアサドなしにはシリアの最終状態を予測でいないでいるということです」とキャメロン首相は言い、イスラム国を打倒するためにどの国とも協力すると言いました。
軍隊と戦闘機をシリアに派遣した後、プーチン大統領は月曜日にイスラム国を打倒するために広範な結束を要請し、シリア軍を戦いから外すことは大きな間違いだと警告しました。
オバマ大統領はアメリカは、権力委譲を始める可能性がある政治的メカニズムを見出すためにロシア、イランと協力する準備ができていると言いました。アメリカは長らくアサドは権力を棄てなければならないと主張していますが、オバマ大統領はアサドが臨時的な役割で権力委譲に参加するかどうかについて明言しませんでした。
記事は一部を紹介しました。
シリア問題に共同であたると言いながら、各国の思惑はバラバラで、イギリスとアメリカの食い違いはどうにでもなるけど、アメリカとロシアのズレはどうしようもありません。
前にも書いたことですが繰り返し書きます。ロシアには、過去にアサド政権を培った権益はそのままあげる。シリアへの武器の販売などはアメリカは手を出さないと保証してあげたら、彼らの態度は少し変わるかも知れません。何の保証もしないと、ロシアも不安がって、アサド政権への肩入れを強化するでしょう。そうでもしないと、話はまとまりそうにありません。欲を出して、アサドがいなくなった後にシリア軍の武器をアメリカ製に入れ替えようと考えるなら、交渉は失敗に終わるでしょう。
ロシア軍の増派は自衛のため出ないことは明らかです。多すぎる攻撃機の数は、ラタキアに接近するアル・ヌスラ戦線を空爆する意図があることを示しています。基地を守るために長距離兵器の攻撃機はむしろ使いにくいのです。榴弾砲と戦車の方がよほど頼りになります。
ロシアが本気でアサドを守るつもりである以上、自由シリア軍がシリア軍を殲滅する可能性はないと言って構いません。ラタキア州からはアレッポ州など自由シリア軍の占領地域が近いのです。現在の兵力では無理ですが、さらに大軍を増派すれば、北部を攻撃することは可能です。
何度でも言いますが、これはシリア内紛を初期に対処しなかった国際社会の失敗です。世界中に軍事専門家は大勢いますが、こういう問題に適切に対処することができないのです。
最早目先を変えて、妥協点を探る道を考えた方が賢明です。よいアイデアは今は浮かびませんが、何かを考えないといけません。
こうした重要な発言が相次いだのに、安倍首相は自国の利益を主張しただけでした。「シリア対策に金は出すが、難民は受け入れない」と宣言したようです。トルコ、ヨルダン、レバノンなどが大量の難民を受け入れているのに、先進国の日本は受け入れないと、それも国連の場で冷酷に宣言したのです。愚かしいにもほどがあります。
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