抗日戦争勝利パレードへの官房長官コメント
NNNによれば、菅官房長官は3日午後の会見で、中国・習近平国家主席が3日に行われた「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードでの演説で、「日本の軍国主義のたくらみを徹底的に打ち砕いた」と強調したことについて、遺憾の意を表明しました。
菅官房長官「中国側にはこの行事をいわゆる反日的なものではなく、日中間の和解の要素を含むものとしてほしい。このように伝えてきたが、今回、習近平主席のスピーチ、そうした要素がみられなかったのは非常に残念だと思います」。また、習主席が「兵力を30万人削減する」と表明したことについては「高い透明性をもって進められることを期待したい」と述べました。
菅官房長官のコメントは的外れとしかいいようがありません。最も大きな問題は国連事務総長、ロシア、韓国の国家元首がパレードに参列し、日本は参列していないということです。安倍政権の外交方針は韓国と中国の接近を招き、日本の安全保障をむしろ危険にしています。
国連は第2次世界大戦の戦勝国が中心となって結成されたため、国連事務総長がこのパレードに参加しても不思議はありません。ロシアも戦勝国側です。韓国は当時は日本の併合されていたため立場は微妙ですが、このパレードに参加することで戦勝国側にいることを明確にしたのです。
安倍総理が参列しなかったのだから、習国家主席は日本に配慮することなく声明を述べたのです。当たり前の話で、それを疑問視する方がおかしいと言うべきでしょう。それが嫌なら総理は参列すればよかったのです。
第2次世界大戦での戦死者数は調査によって様々ですが、日本は全人口約7100万人のところ約240万〜310万人とされ、中国は全人口が5億1千万人に対して戦死者約1000万〜2000万人とされます。中国の方が犠牲者の数は圧倒的に多いのです。人口に対する比率は日本が圧倒的に上ですが、それは空襲や上陸作戦で犠牲を出したからです。
自分が和解する態度を示さないのに相手には求めるのでは自己中心的といわれても仕方がないところです。
中国軍は兵数を30万人減らしても、そう戦力が変わるものではなく、日本にとって大した影響はありませんが、わざわざそこにコメントしたことも疑問です。30万人は中国全土で行われるのか、日本海に面した方面に限られるのかでも話は変わります。中国が日本に攻めてくる、脅威だと言いたい安倍政権としては、ここでは上陸用部隊やそれを支援する海軍、空軍を増設しないことを心配した方がよいはずです。単に言い返せばよいという感覚でしか発言していないのが疑問です。
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