シリア軍がラタキア州のラビアを占領
BBCによれば、シリア軍はラタキア州(Latakia)で反政府派の最後に支配していた街、ラビア(Rabia・kmzファイルはこちら)を占領したと言います。
国営テレビは反政府派が4年間支配したラビアが政府軍と民間防衛軍(popular defence forces)に占領されたと言いました。同州はバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)が属するアラウィ派の拠点です。
人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」によれば、ロシア軍がラビアの奪還で主要な役割を演じました。ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は、アサド軍はいくつかの村を占領することで、48時間の間に三方向から街を包囲したと言いました。ロシアの空爆が重要な役割をしたと彼は言いました。現場からの情報提供をする監視者に依存する同団体は、ロシア軍将校とヒズボラ民兵に支援された政府軍は、引き続いてダロシャン村(Daroshan)とアル・ラウダ村(al-Rawda)を支配しました。人権団体はシリア軍とアル・ヌスラ戦線の間に激戦があったと言います。ラビアはアルカイダ傘下のアル・ヌスラを含む異なるグループによって支配されていました。
BBC中東アナリスト
セバスチャン・アッシャー(Sebastian Usher)の見解
確認されるならば、ラビアの奪還はアラウィ派の拠点であるラタキアの完全支配を再び主張するための政府の作戦で最新の成功となります。進展の要点はロシアの空爆支援でした。政府の最近の勝利は州都ラタキアへ反政府派が砲撃する能力を制限します。昨年、いくつかそうした砲撃を見ました。それは戦争によっては少なくとも物理的にほとんど触れられなかったシリアで数少ない街の一つに危険なほど戦争に近づけました。それはアサド軍に隣の州、イドリブ州(Idlib)の反政府派の支配に疑問を呈する機会も与えるかもしれません。予備の和平会議が予定通りに今週始まるかどうかに強まる疑いがある時に、これがすべて起こりました。どの反政府派が招待されるかに関して、重要な引っかかるポイントの一つが残されています。シリアとその他の紛争関係者はグループのより広範でより数の多い代表を受け入れる必要に迫られています。
人権団体によれば、ラビアの占領は北からの反政府派の補給路にずっと大きな脅威をもたらし、政府派の軍隊がトルコ国境へ前進することを予想させます。街の陥落は1月12日のサルマ村(Salma・kmzファイルはこちら)の奪還を含むシリア軍による協調した逆襲の中に起こりました。
記事はほぼ全部を紹介しました。
タイミングが非常に悪いですね。和平交渉が始まる時に、シリア側に有利な条件ができたことになります。こうした交渉が始まる前に有利な形を作るための駆け込みのような戦闘が起きることがあります。アメリカのジョー・バイデン副大統領はトルコと共にイスラム国に対して軍事的な解決を行うのだと声明していますが、これも和平交渉に向けた外交戦の一環です。お互いに有利な形を作ろうとして、色々と手を打ってきます。
それ以上に、シリア軍がどこまで前進できるのかも気になります。さらに隣の州へと進撃ができるのか、ラタキア州で止まるのかです。ラタキア州は山地が多い土地で、イドリブ州はほとんどが平地です。より多くの兵力が必要な場所ですから、簡単には出て行かないと考えることはできます。
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