アレッポ東部へシリア軍が進出

2016.11.29


 BBCによれば、シリア軍はアレッポ(Aleppo)東部の反政府支配地域の3分の1以上を占領しました。

 空からの重爆撃の後、前進はバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)への武装反対者にとって大きな打撃です。

 国営テレビは、政府軍が地雷と爆発物を除去し、前進を続けているといいました。

 数千人の民間人が激戦の週末の後、包囲された地区から逃げました。数百家族が退去させられました。

 反政府戦闘員はアレッポ東部の長らく保持した飛び地のより多くの地区から追い払われました。

 月曜日にさらなる戦闘の後、反政府軍は週末に支配していた北部地区すべてを失い、それらを去り、市内に保有していた3分の2未満の領域となりました。

 反政府当局者2人は、彼らの部隊は政府の前進が反政府地域を二分する危険にさらした後、より防衛しやすい戦線へ撤退したといいました。

 監視団体によれば、シリア軍は現在、サコア・ハイウェイ(Sakhour)の北、アレッポ東部の区画を支配しています。

 ロシア国防省は、シリア軍が反政府軍から領域の40%、12地区を占領したといいます。反政府派100人以上が武器を置いて、街を去ったといいます。

 イギリスに拠点を置く「the Syrian Observatory for Human Rights」によれば、月曜日、反政府軍支配地域の空爆は続いていました。

 シリア軍とその同盟軍は9月にアレッポを奪還する大攻勢を開始しました。

 土曜日に戦闘が激化してから、アレッポ東部の住民数千人は政府軍とクルド人グループが支配する地域へ逃げました。「The Syrian Observatory for Human Rights」は、住民約10,000人が政府が支配する西部地区とクルド人が運営する北部地区へ逃げました。

 国営メディアは男性、女性、子供が政府支配地域へ緑のバスで輸送されるのを示しました。

 アレッポのシェイク・マスード地区(Sheikh Maqsoud)を支配するクルド人グループは、人々が反政府派支配地域からクルド人支配地区へ逃げるのを示す映像を提供しました。

 シリア系クルド人のクルド民主統一党(PYD)は、6,000〜10,000人がこの地区に逃げたといいました。

 シリアの国連難民高等弁務官の報道官、スコット・クレイグ(Scott Craig)は、アレッポ東部で250,000人が支援を必要としているといいました。食糧供給はなくなったと、彼はいいました。

 「アレッポ東部で現場の状況は、そこにいない我々の想像力を遙かに越えています」とクレイグはいいました。

 ホワイトヘルメットとして知られるボランティア救助サービスは、人道的な危機を警告し、猛攻の中にとらえられた人々に届く必要がある燃料備蓄が尽きたといいました。


 記事は前半だけを紹介しました。

 アレッポの支配状況は元記事に地図が掲載されているので、かなり詳しく分かります。

 非常にまずい状況です。

 トランプが米大統領になれば、この状況では、シリア反政府派を見捨てても、米国民は仕方がないと思うでしょう。

 ロシアはイスラム国と戦っているといいながら、これが目的だったのです。

 プーチンとトランプが話し合って、シリアはアサド大統領に支配させます。

 反政府派を支援していた湾岸諸国とアメリカの関係は悪化します。支援しながら、最後になって見捨てるのかと批判するでしょう。

 反政府派の増援の状況が分からないので、この劣勢を挽回できるかどうかは判断できません。


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