海兵隊は否定も墜落は機体の欠陥が原因
military.com によれば、第三海兵遠征軍の司令官は、一機のティルトローター機が火曜日に沖縄沖で浅瀬への不時着をするよう強いられたあと(to make an emergency shallow-water landing)、安全手順が見直されるまで、日本のMV-22オスプレイすべての飛行活動を停止するよう命令しました。
沖縄での記者会見で、ローレンス・ニコルソン中将(Lt. Gen. Lawrence Nicholson)は、航空機がローターブレードが補給ラインを叩いて、航空機に損傷を与えた時、空中給油活動を行っていたといいました。
第三遠征軍の発表によると「航空機のフックが外れた後、機体は激しく揺れました」とニコルソン中将はいいました。
「パイロットは沖縄の家と家族の上を飛ばないと決断しました。彼はキャンプ・シュワブ(Camp Schwab)に着こうと意識的な決定をして、乗員と沖縄の人々を守るために浅瀬に降りました」。
オスプレイに搭乗していた海兵隊の乗員5人全員は航空機から救出され、キャンプ・フォレスター(Camp Foster)の海軍病院へ事故後の治療のために連れて行かれました。
発表によれば、3人は退院し、2人は観察中のままです。彼らの現状は説明されませんでした。
第三海兵遠征軍は、環境を守る一方で、損傷したオスプレイを安全に回収するためにサルベージ調査が行われています。
事件の調査は進行中です。
記者会見の間、ニコルソン中将は墜落の対応への支援で日本の海上保安庁と沖縄警察に感謝をしました。
「私はこの事件が起きたことを残念に思います」と中将はいいました。「我々は沖縄の人々が負傷した乗員へ与えた考えと祈りすべての感謝します」
沖縄で海兵隊がオスプレイを使うことは、住民の間で長らく議論の的で、彼らの多くは航空機がその初期の人命を奪った事件の歴史を考え、特別に墜落する傾向があるのではないかと恐れます。
2012年に普天間海兵隊航空基地に追加のオスプレイが到着した時、地元はこの動きに反対するために抗議を行いました。
日本でニコルソンが航空機に飛行中止を命令したのは4ヶ月間で2度目です。
9月、彼はこの地域のAV-8Bハリアー一機が沖縄沖に墜落した後、一時的な活動中止を命じました。
はじめて「不時着」と訳してよい報道がみつかりました。この記事は第三海兵遠征軍のホームページに載った記事を元にしています。それはニコルソン中将の記者会見を概説していますが、その中には「to make an emergency shallow-water landing」という表現はありません(遠征軍の記事はこちら )。
ニコルソン中将が使った表現は「the landing of an MV-22 Osprey in the shallow waters」「land in the shallow water」です。これは「浅瀬に降りた」「浅瀬に着水した」と訳すべき表現です。
つまり、不時着はmilitary.comの記者が付け足した表現で、海兵隊は不時着だったとは考えていないことを示します。しかし、これが防衛省には「不時着水」に聞こえてしまう。何か不思議な魔力がそこには働いているようです。
日本国民にはこれが、防衛省が米軍に「いやぁ、海兵隊の皆様にお怪我がなくてようございましたなぁ」とおべんちゃらを使い、「あとは、こちらで適当に国民に説明しておきますから」を言っているように見えます。特に、警察の機動隊が事故現場を厳しく封鎖しているのをみると、日本人は自国民よりも海兵隊が大事らしいと思えてしまいます。
ニコルソン中将は記者会見では沖縄に深い感謝を示しましたが、沖縄県副知事への説明の場ではパイロットに感謝しろと言ったようです。朝日新聞は次のように報じています。
沖縄県名護市沖に米軍輸送機オスプレイが不時着して大破した事故で、沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事は14日、在沖米海兵隊トップのニコルソン四軍調整官に対し抗議した。安慶田副知事によると、ニコルソン氏は「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と抗議に不満を示したという。
安慶田副知事によると、オスプレイの飛行停止と配備撤回を求める抗議文をニコルソン氏に手渡し、抗議したが、ニコルソン氏はかなり興奮した様子で「(事故を)政治問題にするのか」と言ったという。安慶田副知事は「県民はオスプレイの配備も訓練も認めていない」と述べたが、ニコルソン氏は最後まで怒りが収まらない様子だったという。
安慶田副知事は面会後、報道陣に「謝罪は全くなかった。本当に植民地意識丸出しだなと感じた」と述べた。
米国内向けの説明の場とでの態度の違いに注目すべきでしょう。ワシントンの方にしか目が向いていないのが明らかです。事故の知らせで動揺したところに抗議を受けて慌てたと割り引いて考えてあるとしても、武人としては泰然自若としているべきでしょう。
海兵隊は事故の原因はオスプレイにはないとしていますが、前に書いたように、オスプレイの給油プローブは回転するローターに近い場所にあります。そこに給油ドローグを近づけるのですから、操縦ミスや気流の変化でオスプレイと給油機のどちらかが激しく動けば、給油ドローグがローターに接触する可能性は充分にあります。実際に、オスプレイの給油失敗を撮影した映像があります。
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この映像が示すことが、もっと大きく起これば、今回の事故は容易に起こり得るのです。ドローグがローターに当たれば、ローターは簡単に大きく損傷し、操縦は極めて困難になり、直ちに墜落につながります。ティルトローター機のローターは一般的なプロペラ機よりも長く、胴体の中心部にあるプローブに近いのです。それはティルトローター機のローターは、固定翼機のプロペラとヘリコプターのローターを一つで実現するため、必然的に長さを増やしたことに起因します。
つまり、今回の事故は不幸な事故ではなく、オスプレイの構造的欠陥なのです。この欠陥を直さないと搭乗員は潜在的な危険にさらされ続けます。問題を直視することは、海兵隊員の安全も向上させるのです。だから、ニコルソン中将の認識は初手から間違っているのです。