アメリカが特殊部隊の位置をロシアに通告

2016.2.19


 military.comによれば、米国防総省は繰り返しロシアとの協力を否定していましたが、アメリカはシリアにいる米軍特殊部隊の顧問チームの大まかな位置をロシアに通告し、シリアのロシア軍基地付近では飛行しないことに同意していると、米当局者は木曜日に言いました。

 米軍が航空機が衝突するのを回避するために昨年署名した覚書の背後でロシア国防省と別ルートの交渉を行っていたという突然の告白は、米中央軍空軍指揮官、チャールズ・Q・ブラウン・ジュニア空軍中将(Lt. Gen. Charles Q. Brown, Jr.)により行われました。

 「シリア北西部で特殊部隊がアメリカが支援する反政府グループの顧問を務める場所に関して、(ロシアと)話し合った一部の地域があります」とブラウン中将はカタールの司令部と国防総省をつないだテレビ記者会見で言いました。米兵がロシアの空爆で攻撃される危険を制限するため「我々はそれについて話をしました」とブラウン中将は言いました。「彼らにはこれらは同盟軍がいる地域だということ、同盟軍がいるおおよその地域を話しました。そうしたことすべてがことを大きくするので、我々はそこを彼らに攻撃して欲しくありません。そして、私はロシア人が同盟に対してことを大きくしようと望まないと思います」。見返りに、ロシア人は我々に近くを飛んで欲しくないシリアにおける飛行場を特定したとブラウン中将は言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 先日、フェイスブックで、イドリブ州で起きた国境なき医師団の病院誤爆について、スプートニクの記事を引用し、アメリカの仕業だと述べている人がいました。私はその辺を米軍機が飛ぶとは思えないと言いました。現在、その周辺でロシア軍が行動中で、不測の事態を引き起こしかねないからです。

 普通、特殊部隊の位置は秘密です。しかし、大まかな位置をロシアに知らせ、誤爆をしないよう予防線を張っておくことは重要です。こういう措置は当然です。このように、緊張状態にある相手とも、必要なことは教えておくのも活動の一つです。

 ロシアが使用中の飛行場の位置を教えてきたのは型通りで、米軍は教えてもらわなくても分かっていることでしょう。それだけでなく、ロシア軍機の動きは米軍やトルコ軍は追跡していて、知っていることです。それでも、互いに「教えましたよ」といえる形を作っておくことが大事なのです。

 これとは別に、スプートニクには、ジョン・ケリー国務長官がアメリカ映画界のトップたちと会談し、ウェブ上で高い人気を誇るダーイシュのビデオに対する「可能な対抗措置について、ブレーンストーミング」を行ったという記事も載っています(記事はこちら)。こういうプロパガンダ活動は、同時多発事件直後から、私が主張していたことで、未だに十分な活動がない分野です。この会議がどんな活動を生むのか分かりませんが、期待したいものです。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.