米陸軍が南シナ海に榴弾砲を展開?
dodbuzz.comに妙な記事が載りました。米陸軍高官と国防総省の戦略家と計画立案者は、必要なら飛来するロケットや巡航ミサイルを撃墜するために、防空兵器として機能する機動砲兵部隊を南シナ海に配置する可能性を含めて、世界中で新しい方法を用いて現存する兵器を使う方法を検討しています。
南シナ海と同様、防空に用いる機動砲兵器は中東や東ヨーロッパのような地域で使えることを証明できると当局者は言いました。移動体に対して155mm精密砲弾を撃てるBAEシステム社製のM109「パラディン」のような機動対空兵器は、ロシアのミサイル、中東の航空機とロケットに対して効果的な防空抑止力となることを証明できると陸軍当局者は言いました。
南シナ海ついては、アメリカは競争と協力に関して中国との特別で複雑な関係を持っています。地対空ミサイルの配置や南シナ海で領域主張をする最近の中国の動きは緊張を高め、国防総省計画立案者に様々なオプションを検討させています。
この記事はmilitary.comに引用されていたのですが、元記事はさらに先に続きます。しかし、M777榴弾砲も派遣対象だと書いてある以外は特に新しい情報は書いてありませんでした。
M777は曲射弾道の砲で、M109は榴弾砲を車両に搭載した自走砲です。どちらも精密誘導弾のM982 エクスカリバーを発射できます。しかし、これは対空兵器として使えるとは聞いたことがありません。M982は固定目標を従来の砲弾よりも精密に撃てる砲弾であり、空を飛ぶ目標は撃てません。
記事につけられたコメントを読んでも、元砲兵隊にいた隊員がM109は移動する目標は攻撃できないと書いています。
以前に南沙諸島に中国軍が榴弾砲を配備したとの記事があり、対空ミサイルではないのが意外だと書いたことがありました(過去の記事はこちら 1・2)。今回、米軍が南シナ海付近にこれらを配備するといいます。私にはまったく理解不能です。
M777を海軍艦に乗せる計画はあり、実験も行われています。しかし、M109は自走砲、つまり車両なので、艦船の甲板に載せて使うことは普通はしません。
多分、この記事は何かの間違いだと思います。
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