重傷のシシャニは臨床死している模様
alarabiya.netによれば、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は、アブ・オマル・アル・シシャニ(Abu Omar al-Shishani)はシリア北部で空爆により重傷を負った後、数日間、臨床死していると言いました。
人権団体のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は「シシャニは自力で呼吸できず、機材を使っています。彼は数日間、臨床死しています」といいました。
ラーマンは「チェチェンのオマル」として知られるシシャニはラッカ(Raqqa)の病院にいると言いました。
3月9日、米当局者はシシャニは3月4日のシリア北東部での空爆で死んだようだと言いました。
その時、ラーマンは彼は重傷を負ったが死んではいないと言いました。
シシャニは米政府がの最重要指名手配犯の1人で、彼の首には500万ドルの賞金がかけられています。シシャニは元ソ連のジョージア(元のグルジア)で大半がチェチェン人の地域、パンキシ渓谷(Pankisi Gorge)の出身です。2013年5月初旬、イスラム国がシリアに現れたとき、彼はシリア北部の軍指揮官に指名されました。
シシャニの正確な階級は不明ですが、「Soufan Group」のリチャード・バレット(Richard Barrett)は、彼をイスラム国の最先任軍指揮官と説明し、主要な戦闘を指揮してきたとしています。
しかし、シシャニはイスラム国の政治指導者(軍指揮官よりもさらに理解しにくい組織)のメンバーではありません。
記事は一部を紹介しました。
シシャニが怪我から回復して、戦列に戻る可能性は限りなくなさそうです。死んだも同じということです。イスラム国にとって悪い影響があればよいのですが、指揮官が交代して穴埋めされてしまうことも、これまで何度もありました。その影響は不透明です。
この記事はイスラム国の組織が未だに謎に包まれていることも明らかにしました。人種も違う大勢の者たちが、イスラム教という看板だけで、命を預け合う活動を長期間続けていることは、確かに不思議です。先日、日本のイスラム教聖職者に、イスラム国の活動はイスラム教が禁じる教義の改竄といえるかと聞いたら、イスラム国は宗教ではなく権力を求める活動だといわれました。確かに、大抵の宗教は内省的な問題を扱い、政治活動は主体ではありません。本当のイスラム教徒には異質な組織でも、活動している当人たちはイスラム教のつもりでやっているはずです。その組織の運営もやはりイスラム世界の考え方が強く反映されていて、組織が継続するのも、そのためと思っています。いつもその謎を解きたいと思っています。
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