ロシア軍のシリア撤退はごく少数

2016.3.16


 military.comによれば、プーチン大統領が部分的撤退を発表した後、ロシア軍機はシリア国内で空爆を続け、10カ所を越える機がこの地域を出発したと、米国防総省は言いました。

 「我々は一部のロシア軍機がシリアを出発し、ロシアへ戻ったのを見ていますが、大きなロシア軍の派遣隊(の撤退)は見ていません」と報道官ピーター・クック(Peter Cook)は言いました。「だから、我々は待ち、皆さんと同じように、プーチン大統領の部分的撤退への言及についてロシア軍がすることを見る必要があります」。

 クック報道官は火曜日に残ったロシア軍機が空爆を行ったと言いました。彼は空爆の数を述べたり、攻撃目標の位置を特定しませんでしたが、イスラム国が支配する地域を狙ったようだと言いました。

 「私はこれらの空爆が(2月27日の停戦に)違反しているかどうかは承知していません」。

 クック報道官はシリアを去ったロシア軍機の数は言いませんでしたが、10機を越えるとしました。ロシアは45〜50機の軍用機(Su-34、Su-24M、Su-25)をシリアに持っていると考えられていました。

 それらの大半はロシアが支配するコメイミン(Khmeimim)としても知られるフメイミン空軍基地(Hmeymim)か飛び立ちました。撤退を発表したにも関わらず、ロシア軍はフメイミン基地とラタキア(Latakia)近くの小さなロシア海軍基地を支配し続けるでしょう。


 記事は一部を紹介しました。

 撤退の規模をロシアが黙っているのでアメリカがばらした形です。このように相手の出方を見て対抗するのも外交の手段です。

 すでにかなりの攻撃目標を空爆しているので、10機程度を減らしても大した支障はなく、これで撤退を主張しても誰も感心しません。今後も撤退を続ける以外、ロシアは誠意を見せることはできません。半数程度の撤退なら、アメリカも評価したでしょう。

 数日間、反応を見てロシアがさらに撤退を行う可能性はあります。アメリカもそれを待ってみるのでしょう。そのためにも、このように情報を公開してみせるのです。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.