北朝鮮が久しぶりにノドンを発射
時事通信によれば、韓国国防省関係者によると、北朝鮮軍は18日午前5時55分ごろ、平壌北方の平安南道・粛川(スクチョン)一帯から日本海に向け、弾道ミサイル1発を発射した。
射程約800キロと推定され、韓国軍は中距離弾道ミサイル「ノドン」とみている。
当サイトはいつもは北朝鮮がミサイルやロケットを発射しても大騒ぎしませんが、今回の打ち上げはむしろ日本社会がほとんど反応していないのに驚いています。
下の図は粛川から800キロの範囲を示しています。
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北九州と中国地方の一部を含む範囲に中距離ミサイルを撃てることを証明してみせたのです。ノドンの実際の射程は1,500〜2,000kmとされ、北海道東部を除く日本のほとんどを攻撃できるとされます。つまり、今回の発射は意図的に射程を短くして打ったのです。
日本海に向けて打ったのなら、ノドンが日本の排他的経済水域の中に落下した可能性があります。下の図は各国の排他的経済水域を示しています。
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排他的経済水域は「主権」まではいかないものの「主権的権利」を行使できることになっており、そこに対して通告もなく弾道ミサイルを打ち込む行為は挑発行為になります。しかし、北朝鮮の沿岸に近い海域なら、どこの国の排他的経済水域にも含まれません(図中の赤い射線の区域)。北朝鮮は「寸止め」の意味を含めて、そうしただろうと思われます。
普通、北朝鮮は日本海に向けてミサイルを撃つ場合、日本海側の基地から打ち上げます。黄海に近い粛川からにしたのは、射程を稼ぎ、日本の排他的経済水域を避けるためかもしれません。
これは韓国に対する脅しであると同時に、日本に対する脅しと考えなければなりません。韓国だけなら、射程は短いものの数が多いスカッドミサイルで脅しても効果がありますから。
いつもの短距離ミサイルの発射とは別の反応があって然るべきですが、今朝のテレビニュースでは違いが見られませんでした。今日の官房長官の定例記者会見でどんな発表があるのかが気になるところです。
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