在日米軍が基地外の運転基準を日本と同一に

2016.3.29

 military.comによれば、米軍は日本の極めて厳しい基準にあわせ、基地での飲酒運転の限度を厳しくしています。

 在日米軍はこの動きは、隊員が関与した最近のアルコール関連の事件とは無関係だとしています。

 4月4日に始まる基地での運転が制限される血中アルコール濃度は、基地外に適用される0.03%と同じになると、在日米軍報道官、ケン・ホフマン中佐(Lt. Col. Ken Hoffman)は言いました。

 「現在、0.03〜0.05%の範囲で様々な基地内の血中アルコール濃度があります。これは日本に配置された隊員に混乱を起こしていました」「隊員すべてに日本全域で標準の方針を設定することは、混乱をすべて排除するでしょう」。

 典型的な米国内の血中アルコール濃度制限は約0.08%で、標準サイズのアルコール飲料2杯を飲んだ後で合法的に車を運転できます。

 新方針は血中アルコール濃度0.03 〜0.079%だった人は60日間の運転特権の停止を受け、指揮官はさらに処罰を決められます。

 0.08%を超える血中アルコール濃度だった軍の運転手は統一軍紀法典に基づいて処分されるとホフマン中佐は言いました。

 一杯のアルコール飲料を飲んだ後で、日本の基地外で運転した場合の処罰は、体重によりますが、ずっと厳しく、懲役刑や数千ドルの罰金になることがあります。

 ホフマン中佐は方針変更は、海軍隊員による沖縄女性の強姦嫌疑や今月の海軍将校による東京行き航空機内での女性暴行嫌疑への対応ではないと言いました。日本警察によると、両方の事件でアルコールが主要因でした。

 在日米軍の隊員はすでに2012年に海軍隊員2人が沖縄の女性を強姦した事件の後に課した夜間外出禁止例の対象になっています。

 飲酒運転方針の変更は数ヶ月間評価中だったとホフマンは言いました。「最近の事件とは無関係です」。

 変更は様々な基地で飲酒運転制限に関して米兵の間で混乱を避けさせられていると、彼は言いました。

 横田空軍基地で在日米軍司令部は、たとえば、基地のウェブサイトによれば、人々は血中アルコール濃度0.5%以下で運転することが許されています。

 在日米軍は飲酒運転や基地での能力が低い運転手が起こした事故の率に関するデータを提供できませんでした。

 しかし、ホフマン中佐はアルコールに関連した運転事故の数は非常に少なく、新しい方針はおそらく大きな変化にはならないと言いました。

 「要点は……日本全域に方針を標準化することと、ホスト国と同一にすることです」と彼は言いました。

 横田基地の売店の顧客達は、新しい制限に問題はないと言いました。

 スバル・フォレスターにガソリンを入れていた、空軍配偶者のハゼル・アルデ(Hazel Alde・29歳)は「私は飲みますが、家にいて、飲めば運転しません」と言いました。

 東京の米軍人用多摩ヒルズ・レクリエーション・エリアの民間人マネージャ、ケビン・ソレンソン(Kevin Sorenson)は、このルール関して混乱が少ないことを意味するので、方針変更は彼によいアイデアに見えると言いました。

 「そうしないと、人々は基地内で運転できると考え、基地外に出た時に法律を破るでしょう」と彼は言いました。

 禁酒家のアントニー・パウエル陸軍曹長(Army Staff Sgt. Anthony Powell)は方針変更のタイミングに疑問を示しました。

 「政治的な立場からは、我々は日本人とポジティブな関係を持たねばならず、いかなる事件も問題を起こしかねます」と彼は言いました。

 より厳しい制限は基地外の事件を減らすことを意味しなければなりませんが、シャトルサービスがそれに対処する人々を助けるために運営されなければならないと、パウエルは言いました。

 ホフマンは人々は飲み方とタイミングと安全に家に帰るのに使う戦略を再検討しなければならないでしょう。

 「隊員たちとその家族は、基地外を運転しようとする時、計画を立てる必要があります。基地内にいようがいまいが、我々は全員が責任をもって振る舞うと思っています。飲酒するなら運転しません。運転するなら飲酒しません。とても単純です」。

 いかなるタイプのアルコールに関連する運転事故も、単なる違反から重傷や死亡に関係する大事故まで、迷惑を遙かに超えた深刻な結果に終わると、ホフマンは付け加えました。

 新しい方針が施行されてから、基地外で生活する人々に追加の輸送オプションを提供する計画はありません。

 様々な施設は隊員に基地内の輸送を提供する計画があると、彼は言いました。

 たとえば、横田基地では「225-RIDE」という、ボランティア運転手による無料の基地内輸送を呼べると、彼は言いました。


 在日米軍の飲酒ルールは日本人に直接関係があることですから、非軍事面の問題ですが取り上げました。米軍がらみの飲酒に関係する事件は、我々にとって大きな問題です。

 米兵による事件で飲酒がからむ場合が多いから、これ以上事件を起こしたくないこともあり、混乱も防ぐためもあり、基準を日本に合わせたのでしょう。こういう配慮をする点は米軍の長所といえます。

 基地内での事故が少ないのは、厳格に数を数えていないこともあるのでしょうが、移動距離が少ない、交通量が少ないなどの理由で、件数は増えないのだと思われます。

 基地外になると、交通ルールが違う、交通量が多い、移動距離が長いなどの理由で事故が起こりやすくなります。国内と違い、こうした事故は注目を浴び、在日米軍の居心地を悪くします。

 基地外での輸送方法がないのは、日本の法律と関係するからです。米軍の任務としてではなく、個人のための輸送は日本の法律を遵守しなければなりません。日本では、いかなる形でも、業務としての人員の輸送行為は白タクとみなされます。本音はやりたいのですが、それはホスト国の法律に抵触するからできないのです。

 この方針変更がよい結果を生むかを、我々はしっかり見ていかないと。

 


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