大統領選の政治活動で海兵隊員が除隊

2016.3.6


 military.comによると、米海兵隊徴募官がドナルド・トランプ(Donald Trump)の決起集会でカメラに撮影された後で、遅延入隊プログラムから外されました。

 第4海兵徴募地区報道官、オリバー・デイビッド大尉(Capt. Oliver David)によると、ジョセフ・プライアー(Joseph Pryor)は3月2日にプログラムから外されました。ニュースは最初に地元のテレビ局「WAVE3」で報じられました。

 フェイスブックのプロフィールによるとインディアナ州コリドン(Corydon)出身のプライアーは、3月1日にケンタッキー州ルイビル(Louisville)で行われたトランプの集会で、黒人の大学生シヤ・ワングマ(Shiya Nwanguma)に向かって怒鳴るのを撮影されました。映像はワングマを押している朝鮮戦争退役軍人協会の制服を着たように見える男性も示します。プライアーは後にフェイスブックにカバーページとしてワングマに嫌がらせをする静止写真を投稿しました。その写真はその後に削除されました。

 「(ジョセフ・プライアーは)政治集会で起きた人種偏見に基づく口論に参加したことで、ソーシャルメディアの使用で誤った判断をしたために除隊させられました」とデイビッド大尉は金曜日にMilitary.comに言いました。プライアーはMilitary.comのコメントの求めに応じていません。

 デイビッド大尉はプライアーは海兵隊の遅延入隊プログラムに30日未満入っていたと言いました。「彼は入隊したばかりで、この種の事件に関与したことから、私が彼の進路を変えると思いたい訓練をまったく受けていません」と言いました。「我々は価値観に基づく倫理的な訓練を(合格者が)プログラムにいる間に行います。それが我々が海兵隊の価値観を保持するために合格者に期待することです」。海兵隊はプライアーを特定したニュース映像を共有する、事態を懸念した市民が海兵隊徴募司令部に接触したときに、彼が集会の事件に関与したことに気がつきました。

 これはこの選挙シーズンに海兵隊の基準に抵触し、誰かを失格にした最初の機会ではありません。11月、予備役のジェイソン・パーキンス伍長(Cpl. Jason Perkins)は、国防総省の方針が明白に禁止する活動、トランプの集会で制服を着て国歌を演奏した後、当局により懲戒されました。

 デイビッド大尉は海兵隊は、政治活動を行う間に制服を着ることは許されず、政治的な能力を持って軍を代表して話してはいけないという選挙シーズンのガイダンスを定期的に回覧させていると言いました。プライアーの行動はより基本的な基準に違反しました。「彼は我々がすることに合致して行動しませんでした。それだけでなく、彼はそれをソーシャルメディアで表現し、火に油を注ぎました」。


 毎度のことですが、これで除隊になる米軍人がいます。遅延入隊プログラムは入隊経験者を再び入隊させる制度です。元海兵隊員を徴募のために活用しようという主旨でしょう。古参のプライアーは制服を着て政治活動ができないことは知っているはずなのにやってしまったようです。

 記事に取り上げられている2人とも、トランプがらみだというのもお笑いです。富豪に協和して自分の職を失うとは。

 米軍はこういうルールに関しては常に厳格です。その点、日本人はあまり抵抗がなく、別にどうでもいいのだと思っています。たとえば、空幕長が政権を批判して解任されても反省しません。アメリカでは軍人が大統領を批判した場合、必ず後で謝罪しています。こういうところは自衛隊は米軍を見習うべきですね。

 


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