南スーダン軍参謀長が和平を妨害する発言

2016.4.12


 10日付けの「voice of america」によれば、南スーダンの反政府派は政府軍参謀長の最近のコメントを「反和平・反民主主義」と呼んでいます。

 先週、ポール・マロン・アワン参謀長(chief of staff Paul Malong Awan)は、彼が生きている限り、元副大統領で反政府派指導者、レイク・マシャル(Riek Machar)は、世界で最も新しい国の大統領には決してなれないと言いました。

 故郷マルアルコン村(Malualkon)を訪問中のスピーチで、アワン大将はどのようにして反政府派指導者が大統領になるのを阻止するかは言いませんでした。

 マシャルの報道官、ジェームズ・ダデット・ダク(James Gatdet Dak)はアワンのコメントを「和平的でも民主的でもないジュバ政府の政治・軍の高官がいることを不幸にも思い出させる」と非難しました。

 アワンのコメントはマシャルが、2年以上の内戦を終わらせるために、2015年の和平の下で暫定統一政府を形成するために第一副大統領として地位に就くために、4月18日にジュバに戻る計画だと発表した後にありました。

 和平合意に基づいた大統領選挙を含む選挙は30ヶ月間の暫定期間の最後に行われます。

 ダクはアワンには南スーダンの大統領を争うために一般国民や政治指導者を拒否する権利や権限はないと言いました。

 報道官はアワンのコメントは政府の和平への関与に疑問を生じさせると言いました。

 彼は「これは和平合意の実行が向かっている方向に関して深刻な懸念を引き起こします」と付け加えました。

 これは和平合意に違反し、マシャル博士を傷つけすらするためのポール・マロン・アワン将軍による潜在的な計画があることを意味します。

 ダクは彼はサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)が出てきて、参謀長が宣言したものを反和平的、反民主的と呼んで非難することを希望すると言いました。

 「これは風通しをよくして、参謀長が言ったことが大統領に共有されていないことを保証します」とダクは言いました。

 政府支持者はアワドの表明は彼のものであり、キール大統領の政府を反映していると誤解されてはならないと言いました。

 彼らは国民として参謀長は彼の個人的な意見を表明する権利があると主張します。

 彼らもアワンの声明がマシャルのジュバへの移動に影響を及ぼしてはならないと言いました。

 ダクはこの論争はマシャルがジュバへ戻る計画に影響を及ぼさないと言いました。

 「しかし、依然として、我々はコメントが否定的な行動により支持されるかもしれないと懸念しています」と彼は付け加えました。


 4月18日のマシャルの帰還も無理ではないかと思わせられる記事です。

 軍参謀長は政府高官であり、その発言に個人的な見解が入る余地はありません。国連による和平が成立し、それを実行する立場でありながら、放言するとは。一個人として発言できるとの、政府支持者の発言は民主主義国としての未熟さを思わせます。

 以前から明らかですが、国連が派遣団を送った根拠はすでに崩れています。スーダンと南スーダンの停戦が根拠の国連派遣団でしたが、南スーダン政府が分裂して新しい紛争が起き、その和平を国連がまとめたということは、事実上、現地は紛争地なのです。なのに、紛争地に派遣できないはずの自衛隊が派遣されています。

 そこで軍事を司る軍参謀長が、元副大統領は大統領になれないと宣言したのなら、それはマシャルが大統領選挙に勝ったら、彼を殺すと宣言したのに等しいのです。

 選挙結果を理由に戦闘が再燃する危険性が高まっています。そこに自衛隊がいるのです。なのに、日本ではまったく問題視されていません。これこそ平和ボケです。大統領選挙が行われるまでに自衛隊は撤退させることです。

 この記事は10日付けで、その後の展開を示すニュースはまだありません。キール大統領は対処していないのかも。

 


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