リビアのイスラム国戦闘員が2倍に増加

2016.4.8


 military.comによれば、イスラム国はリビアで素早く存在を増し、暫定政府の安定を脅かしていると、アフリカ担当の米軍指揮官は言いました。

 国防総省での記者会見で、デビッド・ロドリゲス陸軍大将(Army Gen. David Rodriguez)は、米情報機関の見積もりでは、リビアでイスラム国戦闘員の人数は4,000〜6,000人と見積もられ、1年半前の約2倍だと言いました。しかし、それにも関わらず、アメリカはリビアで限定されたイスラム国の目標を空爆しているだけで、アメリカの国民と国益に差し迫った脅威をもたらす彼らの指導者やグループの後を追うだけです。

 ロドリゲス大将は、リビアでの最初のイスラム国指導者に対する攻撃、11月13日のイスラム国指導者、ダルナ(Derna)でのアブ・ヌビル(Abu Nubil)に対する空爆は、差し迫った脅威に対するアメリカの行動の典型だと指摘しました。他のものは、2月のサブラタ(Sabratha)の民兵訓練基地に対する一連の空爆でした。基地は自国で西欧の旅行者を攻撃する一組の計画を立てていたチュニジアからの戦闘員を収容していたとされています。

 民兵はベンガジ(Benghazi)、ダルナ、サブラタでも存在を維持しているものの、シルト(Sirte)はリビア国内のイスラム国戦闘員の最大の拠点のままだと、ロドリゲス大将は言いました。リビアでイスラム国に従う者たちの人数には北アフリカを行き来し、イラクとシリアに派遣され、一部はこれらの地域へ戻っている外国人戦闘員を含みます。

 「そして、リビアにもう1つの現象があります。それは一部(の戦闘員)が移動すると、すでにそこにあるイスラム国に忠誠を誓うということです」。

 リビアのイスラム国戦党員は激派グループの主幹の者たちがするように西欧の攻撃目標を攻撃することを望んでいるのは明白ですが、こうした戦闘員がもたらす脅威はその他の地域であったほど先進的ではないと彼は主張しました。

 戦闘員のごく一部はイラクとシリアにいる者と同様に地元出身だと彼は付け加え、民兵たちは外からの影響に反対する傾向があるリビア国民からのさらなる反対に直面しました。

 「駐留の最大の懸念は、彼らがこの国のカオスを減らすことができるように、国民合意政府を前進させるための運動へ提示する本当の課題です」とロドリゲス大将は言いました。

 国民合意政府は12月に国連安保理の支持で形成されました。

 暫定政府は現在、忠誠を発展させるために地元民兵と共に活動しています。

 これらの民兵は現場のイスラム国の軍隊と対立しており、過激派の活動の成長を抑えることに多少の成功があったとロドリゲス大将は言いました。

 「それはこれらの民兵が国民合意政府を支援する方法と有効性が最後に本当に違いを作り出すかにより判断されます」と彼は言いました。

 アメリカが将来、暫定政府が安定した後、リビアでイスラム国の攻撃目標に対する空爆を増やすことはあり得るとロドリゲス大将は言いましたが、それは政府自体の意思次第です。

 「アメリカは彼らが国民合意政府を支援すると言ってきましたし、国民合意政府と国際社会が運動がどう進んだかを判断するでしょう」。


 記事は一部を紹介しました。

 やはり、イラクとシリアの状況が悪いので、イスラム国はリビアへの転戦を考えているのでしょう。この転戦を失敗させることが、国際社会の重要課題です。しかし、シリア危機への対処が遅れたのと同様に、国際社会はイラクとシリアにばかり目を向けています。これはシリアでの失敗を繰り返したのと同じ過ちです。

 テロ組織は一見、正規軍に比べると戦力が弱いので、対処は後でもよいように思えます。しかし、それが問題を大きくしたのは、過去の事例で明らかです。敵の先回りをして、勢力を大きくする前に叩かないと、テロ組織は根絶できません。早く方針を変えないと、また大きな問題が生まれます。

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.