米空軍が負傷者の空輸に関する問題を調査中
military.comによれば、米空軍は患者を航空機で運ぶ最良の方法を研究するために航空医療避難任務で空輸された患者16万人のデータベースを編集しています。
登録簿は2001年から2014年までに空軍の避難飛行で空輸した傷病・戦傷の軍人の大半を含み、広範囲に危篤ではない治療が必要な患者に焦点を当てた最初の研究となると、当局者は言いました。
データ登録は、脳損傷をうけた患者が医療避難飛行でどれだけ早く空輸されるべきか、低気圧と純酸素が脳損傷に与える影響への疑問を提起した、空軍が資金を出した2011年から2014年までのメリーランド医療大学の研究に引き続きました。
研究者たちは最初の発見を見出すためにネズミで実験しました。
研究は脳損傷患者を数時間、数日間以内に航空避難することは、リスクを大きく増やし、さらなるダメージを起こす可能性があることを示しました。
研究者たちは「低い気圧は長期間の認識機能を悪化させ、慢性脳炎と脳組織損失を増やす」ことを見出したと大学は報告しました。
純酸素を患者に与えることは脳損傷に関連する健康の懸念を悪化させました。
ライト・パターソンス(Wright-Patterson)の米空軍航空医療学校で救急輸送部門の主任、スーザン・デュークス大佐(Col. Susan Dukes)は「私は大きなポイントは、少なすぎる酸素は悪く、多すぎる酸素も悪いということです」と言いました。
「患者を個々に評価して、酸素の最適量を与えることはとても重要です」。
脳損傷の患者を空輸する最良の時はいつかという疑問を研究者は提示しました。
「患者を空輸する最良の時はいつかという疑問に関連して多くの作業がなされています」とデュークス大佐は言いました。
「戦時下のシナリオでは、選択はないかもしれません。患者を空輸する必要がある時、時には航空機が利用できることがあるかもしれません」。
進行中の80の研究の中で、航空医療学校は搭乗員と患者への低酸素症の影響や高高度での酸素欠乏、機材への気圧の影響、空中で患者がさらされる振動の量について調査しています。
記事は一部を紹介しました。ごく重要な部分のみを選びました。
米軍について感心するのは、こういう研究を大量にやっていることです。逆に心配になるのは、自衛隊ではこういう研究をやっているのかということです。
過去、日本では長期にわたって、救急車の搬送中に対象者が死亡する問題が起きていました。救急車は怪我人や病人を運ぶだけで、手当をほぼできなかったからです。現在では問題はかなり改善されていますが、平時ではない有事の救急搬送はどうなっているのでしょうか?。
熊本地震のような大規模災害で、自衛隊による重傷者の空輸も行われているはずですが、こうした活動は賛美されるばかりで、その内容が検討されることはありません。
米軍の空輸力、戦場から戦域外への負傷兵の輸送方法は常に感心するほどの内容を持っています。しかし、空輸中に問題が起きたことがないのかという疑問は、私も以前から持っていました。患者が急変した場合の対処。精神的問題を抱える者が空輸中に発作を起こすことはないのかといった疑問です。こういう問題は結構起きているのではないかと思っていたのです。
自衛隊はこんな問題に対する基礎知識もなく、海外に自衛隊を派遣しようとしています。政治家にとっては、意識の外の話なのでしょう。負傷した隊員が空輸中に死亡しても、「俺がやった訳じゃない」と考えるからです。
戦闘だけが戦争ではありません。後送される負傷兵の問題も重要なのです。
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