テポドンの残骸に興味のない日本
NNNによれば、鳥取県の海岸で不審な漂着物が見つかった。韓国が今年2月、北朝鮮のミサイルとして発表した破片と似ているという。
鳥取県湯梨浜町の海岸で見つかったのは、長さが約1.8メートル、幅が約1.2メートルの円柱形の物体。金属製とみられ、重さは100キロ近くあるという。
緊急会議を開いた鳥取県によると、16日午後2時頃、海岸調査のため現場を訪れていた県の職員が、海岸の波打ち際で発見した。形状などを調べたところ、今年2月に韓国国防省が北朝鮮のミサイルとして発表した破片とよく似ているという。
記事は一部を紹介しました。
どの記事を見ても、テポドン2号のシュラウド(ロケットが運搬するペイロードを覆うカバー)だと書いていません。未確認だから書かないのでしょうか?。そうすることに何の意味があるのでしょうか?。s
テポドンが打ち上げられると大騒ぎする割には、その後、海に落下したテポドンの残骸を回収する気がないのだから、日本は本当に不思議な国です。ロケットは不要になった機体を切り離して進みます。残骸を回収すれば、ロケットの構造・性能を推測することができます。
舞水端里から打ち上げた場合、機体は日本の排他的経済水域に落下します。それを回収すべきだと、当サイトでは主張してきました。実際、政権与党だった自民党は、民主党からそれを行うよう国会で求められていながらやりませんでした。また、これを批判するマスコミもありませんでした。
今回も鳥取県が発表したら、直ちに防衛省から現地に担当官が派遣されるのかと思っていましたが、それは行われていないようです。
一体、日本という国は何を考えているのでしょう。韓国は落下した残骸を引き揚げ、テポドン2号の性能解析を行いました。残骸はテポドン2号を知るための1次資料なのです。
東倉里からテポドン2号を打ち上げた場合、鳥取県に部品が流れる可能性があるとは考えていませんでしたが、気象庁のデータを見ると、湯梨浜町に流れ着く合理的な理由があることが分かりました。
下の図で、紫色の部分がシュラウドが落下した海域です。済州島の西方です。(元記事はこちら)
下はテポドン2号が打ち上げられた日と、シュラウドが発見された日の海流の動きを示した図です。(気象庁のHPはこちら)
図を見ると、シュラウドの落ちた海域からは北へ向かう海流があったことになりますが、対馬海峡へ流れ込む海流につかまると、東へ移動することが分かります。赤丸で示した湯梨浜町に向かい、海流が海岸へ向かっていることが分かります。
我々は幸運でした。1次資料を手に入れるチャンスを得たのです。問題は政府がそれを生かそうとしないこと。それが問題だと感じる国民がいないことです。
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