米将軍がバルチック諸国を守れないと発言

2016.6.23


 military.comによれば、NATO軍は現在、バルチック諸国をロシアの攻撃から守ることはできないと、欧州の米地上軍指揮官、ベン・ホッジス中将(General Ben Hodges)は水曜日に言いました。

 「ロシアはバルチック諸国を我々が彼らを守るよりも早く支配できます」とドイツ語のニュース週刊誌「Die Zeit」で述べたと報じられました。

 中将は、ロシア軍がバルチック諸国(ラトビア、リトアニア、エストニア)の首都を36~60時間以内に征服できるという軍アナリストの評価に同意すると言いました。

 ホッジス中将は、NATO軍はポーランドでの最近の軍事演習「アナコンダ」の間に多数の不備を見つけたとも言いました。

 重装備は西ヨーロッパから東ヨーロッパまで十分に早く移動できなかったと中将は言い、同盟国の通信技術に関する懸念を表しました。

 「無線通信も電子メールも保護されていません」と彼は言ったとされました。

 「私は自分のブラックベリーに書いたものすべてが監視されていると考えます」。

 アナコンダ演習はNATO軍20カ国以上の兵士を含みましたが、公的にはポーランドでの国内演習でした。

 ホッジス中将は週刊誌に「フランスとドイツのようないくつかの国は、NATO軍の演習と呼ぶにはロシアに対してあまりに挑発的だと考えていました」と言いました。

 同盟国が冷戦以降、東ヨーロッパでの最大の軍事演習を開始し、数千のNATO軍が10日間の力の誇示でポーランドの地に降り立ちました。

 ロシアのウラジミール・プーチン大統領(resident Vladimir Putin)は水曜日、NATO軍は我々の国境の近くで攻撃的な弁舌と攻撃的な行動を進めていると言いました。

 彼は、ロシア政府は、我が国の防衛能力を高めることに関連する任務を決意することに特別な関心を払わざるを得ないと言いました。

 NATO軍は先週、7月8〜9日のワルシャワでの画期的なサミットに先立って、より積極的なロシアに対処するために、バルチック諸国とポーランドに3個大隊を派遣することを発表しました。


 記事は一部を紹介しました。

 ロシアと西ヨーロッパの互いを信じられない状況は続いていて、お互いに相手が自分の領域に侵攻すると考えています。これは冷戦中からも繰り返されてきました。NATO軍が前進防衛という戦術を構築すると、ソ連はそれを侵略の準備をみなしました。

 クリミア半島侵攻はバルチック諸国への侵攻も連想させ、標的となる国の不安が高まっています。

 今回、演習で問題点が浮上したので、今後、NATO軍は対処策を打っていくでしょう。なので、ホッジス中将の指摘がいつまでも続くと心配する必要はありません。「36~60時間以内に征服できる」との分析は、現状での話で、改善できない訳ではありません。

 私個人は、最も手強い大国はロシアだと思っています。ロシアの自国の権益を守ろうとする熱意は強烈です。日本の官僚や政治家の頭では対処しきれないほど強いと考えています。ロシアが武力でクリミア半島を支配したやり方を、彼らはどう観察し、分析したのか疑問です。ブッシュ政権がテロ組織に対して強硬路線をとったので、ロシアはそれを最大限に利用しています。 目的のためには国際法も無視します。そんな国に経済的な取り引きで領土交渉をしても意味がないことくらい見当がつくはずですが、安倍首相が先般、プーチン大統領と会談し、日本への招待を決めるなど、日本政府は成功する見込みのない外交術を展開しています。

 まして、憲法改正なんかしても、ロシアへの対処には何の関係もありません。

 


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