南スーダンで大統領派と副大統領派が衝突

2016.7.10


 8日付けのsudantribune.comによれば、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)がレイク・マシャル第一副大統領(First Vice President Riek Machar)を逮捕しようとして、南スーダンの大統領宮殿(kmzファイルはこちら)の中で戦闘が勃発したと、当局筋が言いました。

 「ジュバ(Juba)で大統領宮殿の近くで激戦が続いています」とマシャルの報道官ジェームズ・ギャトデット・ダク(James Gatdet Dak)は言いました。

 彼は戦闘はキール大統領の部隊がマシャル第一副大統領のボディガード達に発砲した時に、宮殿の外で始まったと言いました。 第一副大統領は閣議のために宮殿の中にいました。

 ダク報道官は、マシャル第一副大統領は木曜日の夜に彼らの部隊の間で起きた衝突を議論すべく、閣議のために大統領が自身の執務室に呼び出していました。

 マシャル第一副大統領が宮殿に到着し、閣議が始まろうとしていた時に、宮殿の近くで激しい発砲が始まりました。

 「マシャル博士はボディガードの防護の下で安全だとだけ言いたいと思います」とダク報道官は詳細を伝えずに言いました。

 その他の情報筋は、閣議は第一副大統領を執務室におびき出すために用意され、彼は逮捕されたと言いました。

 発砲が勃発した環境は不明のままです。大統領府筋は、彼はジュバの大統領宮殿から2ブロックほど離れて、銃声と爆発音を聞いたと言いました。

 キール大統領派木曜日の夜に緊張が始まってからは公に姿を現していませんが、 側近たちは、金曜日に彼は自宅におり、軍隊に行動を抑制するよう要請したと言いました。

 当局が状況を悪化させる出口すべてを封鎖するために陸と海の国境を閉鎖するよう命じたかは明らかではありません。

 8日付けの別のsudantribune.comの記事によれば、南スーダンのライバルの指導者たちは金曜日、新しい国家の国民に、金曜日に大統領宮殿でもう一つの一層致命的な戦いが勃発した後も冷静なままでいるよう要請しました。

 警護のために大統領宮殿のフェンスの外と通りに配置された、主にキール大統領とマシャル第一副大統領の大統領警護隊の隊員の兵士100人以上は衝突した時に殺されました。

 戦闘は、キール大統領に従うもう一つの部隊が大統領宮殿に来て、すでにマシャルのボディガードと並んで配置された大統領のタイガー師団(tiger division)の同僚に加わり、第一副大統領の護衛に発砲した時に始まったと伝えられます。

 マシャルのボディガードが殺されるか逃げ去った時、後に砲兵隊と戦車が参加した激しい戦いは収まりました。

 事件は、3人の指導者(キール大統領、マシャル第一副大統領、ジェームズ・ワニ副大統領(Vice President James Wani)が、キール大統領の兵士5人を殺した木曜日の事件を議論するために大統領宮殿の中にいる間に起こりました。

 しかし、衝突の後、宮殿の外で指導者3人は合同の報道声明を出し、南スーダンの国民に冷静を保ち、宮殿での戦いが起きた原因についての認識を否定しました。

 「指導者3人は合同記者会見を不幸な事件の後で大統領宮殿で開きました。彼らは冷静になるよう呼び掛け、実際に木曜日の夜に彼らが電話で話した、初期の呼びかけを繰り返しました」とマシャルの報道官は土曜日の朝に言いました。

 ワシントンの南スーダン大使館によって公表された声明は、会議は戦闘の原因を徹底調査することを決めたといいました。

 「2016年7月8日本日、サルバ・キール・マヤディット大統領(Salva Kiir Mayardit)は、内務大臣のアルフレッド・ラドー・ゴア中将(Lt. General Alfred Lado Gore)を議長とする合同調査委員会を組織するよう大統領令を出しました。合同調査委員会への負託は2016年7月7日夜間と7月8日の発砲事件2件の調査をすることです」。

 ダク報道官は、大統領派こうした事件の再発を避けるための必要な手段をとることも決めたといいました。

 さらに、彼は先に提示されたように戦闘は大統領宮殿の中で拡大しなかったものの、大統領宮殿のフェンスの外が含まれたと言いました。

 金曜日の衝突の原因を尋ねられると、彼は不明の何かがあったと言い、攻撃の中に上級将校の関与があったかについていかなる認識も確認できないと付け加えました。

 「もちろん、すべてのエピソードの中に疑わしい何かがあります。ある種の前提、木曜日のスーダン人民解放軍(SPLA:政府軍のこと)兵士5人の死への復讐や、最終的に我々の指導層の中の高官の誰かを傷つけるためかも知れません。しかし、いまの時点で誰かを非難することは政治的に不適切です」とダク報道官は付け加えました。

 反政府指導者の報道官は、指導者が安全保障問題を議論している時に、マシャルに大統領宮殿へ同行したボディガードへの奇襲攻撃に言及しました。

 一方で、南スーダンでの2015年8月の和平協定の違反を確認・監視する統合軍事停戦委員会(the Joint Military Ceasefire Commission: JMCC)は声明を発表し、緊張を緩和するために主要なライバルの指導者2人に緊急安全保障会議を招集するよう訴えました。

 和平合意の規定により確立された最高位の安全保障監視機関であるJMCC(原文ではJCCですが、誤記と思われます)は党派から参加者を得て、若い国家での紛争を終わらせるために仲介する地域的なブロックである政府間開発機構(the Intergovernmental Authority on Development: IGAD)が指名した軍最高位の将校が議長を務めます。

 声明はキール大統領とマシャル副大統領に緊急安全保障会議を招集し、さらなる行動を行うことから兵士たちを静止するために指揮官に命じるよう要請しました。

 飲料水・電気担当大臣、デイエク・マソク・デイング・ウォル(Dhieu Mathok Diing Wol)は、指導者2人が状況が拡大するのを防ぐために指導力を発揮すべき時だと言いました。

 金曜日の宮殿での衝突の前に、JMCCは国内での現在の状況を沈めるために、最高司令官2人に直ちにJ1(大統領宮殿)で会合を持つよう要請しました。

 「我々は我々の歴史のこの特別な時に指導書力を発揮する必要があります」とウォル大臣は言いました。

 より初期の要請は国防大臣が金曜日に政府軍兵士5人が発砲に引き続いて死亡したものの、状況は沈静化したと付け加えた後にもありました。

 国防大臣クオル・マンヤング・ジューク(Kuol Manyang Juuk)は地元ラジオ局に、状況はジュバでは穏やかで、市民は仕事に行くべきだと言いました。

 彼は、予備情報はレイク・マシャルの民兵に所属する車がグデレ(Gudele)に向けて移動していたことだと付け加えました。

 車がルー・クリニック・グデレ(Lou Clinic Gudele)環状交差点に達した時、車内の武装した男が道路の左右に発砲し、兵士5人を殺しました。

 死者の3人はSPLA憲兵隊、2人は国家安全保障局の出身でした。

 クオルは検問所を設置した部隊は警察(CID)、国家安全保障局、軍情報部とSPLA正規兵で構成されたと言いました。

 ここ数日、治安の不安定がこの地域にあったので、彼らは車を調べていたと言いました。

 しかし、彼の話は彼らの車を停めて、彼らを逮捕したり武装解除しようとした後、SPLAが先に発砲したと訴えるSPLA-IO(反政府軍のこと)により反論されました。


 記事は一部を紹介しました。

 昨日、記事を更新できず、この重大事に対する反応が遅れてしまいました。記事はまだ続報があり、大統領宮殿の周辺に戦闘員の死体が100体ほどあるとのことです。続報も追って紹介しますが、今日も用事で出かけるため、作業開始は夕方になる見込みです。

 クオルの話は宛てにできません。市内は平静どころか、大統領宮殿の周りに死体が大量に散乱しているのです。

 恐らくは単なる小競り合いによる衝突です。対立する両指導者が沈静化を図ろうとしていることから、いずれかが仕組んだ可能性は低いと思われます。

 しかし、こういう時は疑心暗鬼が広がるものです。副大統領派からマシャル副大統領が陰謀でおびき出されたとのコメントが出るように、兵士たちは互いに相手の軍隊を敵とみなしているはずです。いつ、どんな状況が起きるとも限りません。

 今のところは、敵意は互いに向けられていて、駐屯している自衛隊には向かわないと思われますが、予断は許しません。我々が得ている情報は僅かであり、現在、現地でどのように状況が進行しているかは分かりません。

 今日は参議院選挙の投票日。国民の関心は自衛隊がいる街で武力衝突が起きていることへは向かいません。

 とりあえず、ここまでとします。本日、夜間にもう一度更新したいと思っています。

 


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