南スーダン内紛は拡大しない見込み

2016.7.10


 sudantribune.comによれば、レイク・マシャル第一副大統領(Riek Machar)の事務所の主席メディア当局者は、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)の軍隊によりジュバ(Juba)郊外にあるジェベル(Jebel)の彼の住居に連れて行かれたとの誤報を否定しました。

 それより前の報道記事は、金曜日の衝突で多くのボディガードを殺されたマシャルがキール大統領が指揮する軍隊の部隊によって彼の居住地域へ護衛されたとしました。

 副大統領の報道官、ジェームズ・ギャトデット・ダク(James Gatdet Dak)は問題は誇張されていると言いました。

 「いいえ、これは真実ではありません。ねじ曲げられ、誇張されています。マシャルはSPLA-IO(マシャル派)の部隊によって付き添われました。もちろん、グデレ地区(Gudele)まで護衛に参加したSPLAの軍情報部の将校はいました」とダクは明言しました。

 彼は第一副大統領の護衛の中にSPLAの要員を含めた目的は、ライバル軍同士の間でグデレで先に起きたさらなる誤解を避けるためだったと言いました。

 「その理由は輸送隊を止めようとしないように、路上のパトロール隊と直接対話をするためです」と彼は言いました。

 彼はキール大統領に忠実なSPLA部隊を、衝突後の協力で賞賛しました。


 記事は一部を紹介しました。後半は似たようなことの繰り返しなので省略しました。

 これまでに伝えられた報道を総合すると、一部の部隊が銃撃戦を行って、大きな被害が出たものの、キール派とマシャル派の軍隊全体が戦っている様子ではないようです。

 特に、この記事でマシャル副大統領を自宅まで送るのに、キール派の軍将校が同行したということは、今回の件では大統領と副大統領の間に問題が起きたのではないことを示しています。

 3人のトップ指導者が大統領宮殿の中で会議をしているときに銃声が聞こえだしたのです。3人は互いの顔を見て、誰も謀議を実行したのではないことを理解したでしょう。そこで、キール大統領は自宅へ戻るマシャル副大統領に将校を随行させたのです。

 ということは、戦いへ動いたのは一部のみで、その他は沈静化へ向けて動いているのです。こういう状況下なら、大統領宮殿の戦闘で自衛官が死傷していなければ、今後、犠牲者が出る可能性は少ないでしょう。

 今回の事件が両派にとって、よい教訓になれば、和平によい影響があるかもしれません。しかし、情勢はまだ不安定で、予断を許さないので、もっと状況を調べたいと思います。

 

 


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