キール大統領の恐ろしくも杜撰な陰謀

2016.7.18


 sudantribune.comによれば、レイク・マシャル第一副大統領(First Vice President Riek Machar)の報道官は、彼らはジュバで指導層に安全と保護を与えるというサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)を信頼できず、大統領は彼の周りで起きる事件を管理していないと言いました。

 「我々はキール大統領と我々の指導層に保護を与えるという彼の保証を信じません」とジェームズ・ギャトデット・ダク報道官(James Gatdet Dak)は日曜日に言いました。

 彼はSPLM-IO(マシャル派)の当局者の大半が、生命の危険から国連の民間人保護施設(POC)に避難しているといいました。

 彼は、これがSPLM-IOの書記長で、キール大統領が彼らを守ると保証したにも関わらず、金曜日にエネルギー・ダム担当大臣でもあるデイエク・マソク・デイング(Dhieu Mathok Diing)がホテル内でキール大統領の保安要員に殴打され、短時間拘束された後に起きたといいました。

 当局者は、両者の兵士270人以上が死亡し、その内の37人がマシャル軍だったと確認しました。

 ダク報道官は、彼らは宮殿(J1)での戦闘事件は、宮殿を逃げ出して、宮殿から約5kmの距離の基地に走って戻ろうとしたマシャルを十字砲火で殺すように仕組まれていたと言いました。

 彼は、キール大統領は様々な事件で何が起きているかを知らないか、軍隊を管理していないと言いました。

 「キール大統領は彼の周辺で起きている事件を管理していません。彼は軍対の指揮官とその他の組織化された軍隊を管理していません。だから、指揮官と保安要員を管理していないか、暴力的行動を賞賛していたかもしれない指導者の保護を信じられますか?」と彼は言いました。

 ダク報道官は、誰かがキール大統領の保安要員に殺されたり、拷問される度に、それがどのように起きて、誰がやったのか大統領が知らないというと嘆きました。

 「たとえば、キール大統領の軍情報部と国家保安要員は我々の将校、ジョージ・アレックス・ギスマラ中佐(Lt. Colonel George Alex Gismala)を殺害し、彼の体を彼らの兵舎へ運びましたが、大統領は誰がやったのかを知らないといいました。7月7日木曜日に、グデレ通り(Gudele)で彼の兵士5人が死ぬのをみた初期の衝突で我々の兵士が発砲を受けました。彼(キール)はそれがどう起きたのかを知らないといいました。7月8日金曜日、彼は会議のためにマシャル博士を宮殿へ呼び出し、彼のボディガードは突然、数百人の兵士と協力してマシャル博士のボディガードに向けて撃ち始め、衝突が勃発しました。彼はそれがどう始まったのかを知らないとも言いました」とダク報道官はさらに言いました。

 彼はさらに7月10日日曜日、キール大統領の軍隊がジュベル(Jebel)の基地と第一副大統領の住居に戦車と武装ヘリコプターで攻撃を開始ししたことは、彼らがマシャルを狙っていたことを示すと訴えました。

 彼はマシャルが7月8日の衝突の間に宮殿に残らなければ、宮殿の外で大統領の軍隊によって殺されていたであろうのに、大統領はそれがどう起きたのかを知らないと言ったといいました。

 「キール大統領は第一副大統領のマシャル博士を守っていません。彼らは偶然、宮殿の中で互いに動けなくなりました。彼らの両方が戦闘が宮殿の外で起きたために、宮殿の外に出たくなかったのです」と彼は言いました。

 彼は2人の指導者のボディガードが、彼らの指導者が狙われて殺される危険があることを知っていたため、宮殿の中で戦闘に応じなかったことで賢明な決定をしたとも言いました。

 彼らは夜間に第三勢力が指導者たちをそれぞれの住居へ護衛する方法を準備し、確実にするまで、宮殿の中で動けませんでした」とダク報道官は明らかにし、「キール大統領も宮殿の中でマシャル博士の近くにいることで自分自身の安全を確保しました」と付け加えました。

 総計で2,910人の反政府派の軍隊と警察がジュバにいることになっていたものの、重火器を持つことが許されなかったために僅か1,300人が軽火器を持って到着しました。

 ダク報道官は大統領の軍隊が現在、ジュバの周辺に再配置されたマシャルと彼の軍隊を攻撃する計画を立てていると訴えました。

 彼はキール大統領の軍隊がマシャルと彼の軍隊を爆撃するため、軍用機と武装ヘリコプターにマシャルの居場所を探すよう命令した情報を受け取ったと言いました。

 彼はキール大統領の派閥が、非合法的に第一副大統領のマシャルを置き換えるためにSPLM-IOから手先の当局者を選んで指名することで、2015年8月の和平合意を解体しようとしているとも言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事には驚くべき事実が書き込まれています。

 キール派の軍隊はマシャル派を凌駕する兵数を持っているはずです。14日に紹介した記事にはこう書かれていました。

 戦闘は金曜日に勃発してから月曜日まで、1,000人を超えるマシャルの軍隊とキール大統領の軍隊との間で勃発しました。元反政府指導者の軍隊は伝えられるところでは、ジュバ市内と周辺に20,000人とされる政府軍のために、4日間の戦闘で圧倒されました。

 キール大統領は20,000人全部を投入できないとしても、5,000人を戦闘に割り当てるだけで、3.8倍の優性を確保できます。戦車や武装ヘリコプターなどの重武装があることで、実質的に4倍以上の戦力比を確保しています。ところが戦死者をより多く出しているのはキール大統領の方なのです。マシャル派の戦死率は13.7%だけ。普通なら数字は逆になるはず。

 また、マシャルを殺すために仕組んだ罠に自分もはまり、宮殿から脱出できなくなったのも計画のずさんさを思わせます。

 外交的にも国際社会を納得させられない説明しかしていません。

 キール派の軍隊は粗暴な組織なのではないかという疑いが出てきます。

 こういう軍隊は何をするか分かりません。マシャル派を探すために国連施設に武力で押し入るかも知れません。幸い、自衛隊は民間人保護施設には配置されていませんが、安心はできません。

 


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