南スーダン政府がコンゴの領空侵犯を非難

2016.8.29


 sudantribune.comによれば、南スーダン政府は隣国コンゴ共和国を、武装反対勢力指導者、レイク・マシャル元第一副大統領(Riek Machar)を避難させるために、領域を使うのを許したと非難しました。

 同国のマイケル・マクエイ・ルース情報・放送大臣(Michael Makuei Lueth)は、国内からマシャルをコンゴから来た航空機を使って避難させたことは、国際法違反だと説明し、大使館を通じてコンゴ政府になぜ避難計画を許可するかどうかを連絡しなかったかを質しました。

 歯に衣を着せぬ大臣は国営SSBCでの声明で「こうした行為は地域等世界の平和だけでなく、二カ国どちらの利益にもなりません」と言いました。

 彼のコメントは、ジュバで外務省がコンゴ大使を召喚したのに続き、そこで同省はコンゴ当局による国境の制限と呼ぶものに抗議しました。

 マシャルの脱出についてコメントし、外務省報道官、マウィエン・マコウル(Mawien Makol)は、同省がジュバでコンゴ大使を彼の国の行動を説明させるために召喚したと言いました。

 マコウルは南スーダンの空域が避難の間に侵犯されたと主張しました。

 「先週、元第一副大統領の軍隊が彼と共に越境した時に起きた国境の制限について抗議していたので、我々は外務省にコンゴ大使を召喚しました」とマウィエンは言いました。

 「彼ら(コンゴ)は南スーダン政府への通知なしに国境の中へ飛行して侵入し、それは当然我々を苛立たせ、我々は彼に何が起きたかを説明し、彼はメッセージを国へ伝えており、我はコンゴからのフライトで我々の国境を越えてきたことについて連絡を受けていません。彼らは我々の空域へ国の許可なくきてはいけません」と彼は付け加えました。


 記事は一部を紹介しました。

 「国境の制限」は「border limitation」の直訳ですが、あまり目にしない言葉と思います。南スーダン外務省は領空侵犯の意味で使っているように思えました。

 コンゴ政府がどう返事をするのかが分かりませんが、国連平和維持軍の活動の一環だったとするのでしょうか。南スーダンの主張が正しいのかも、この記事だけでは分からないので、まずはコンゴの回答を読んでみたいと思います。

 それにしても、自分で陰謀を画策しておいて、それをすべてマシャルに押しつけ、さらには国際法を主張するとは、南スーダン政府の傍若無人ぶりは否定しようもありません。

 そんな国に支援のために行かされる自衛隊が気の毒です。多分、日本政府は、自衛隊派遣でアフリカにおける日本の評判をあげ、国連常任理事国入りで支援をもらうことを考えているのでしょう。まさに外交の駒としての自衛隊活用であり、これは日本国憲法前文の「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」の部分をまったく無視していると思います。日本政府は「戦争をしようとしているのではなく、国際支援なのです」というでしょうが、納得いきません。

 


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