国連がマシャルの復帰で方針変更か

2016.9.27


 sudantribune.comによれば、国連平和維持軍の長、エルベ・ラドソス(Herve Ladsous)は金曜日、南スーダンの元第一副大統領レイク・マシャル(Riek Machar)は競争相手が言うように政治的に死んではおらず、南スーダンの国民多数を代表していると言いました。

 「明らかに(マシャルは)、誰かがさっきの会議で言ったと思いますが、彼はまったく政治的には死んでおらず、彼はそこにいます。つまり、彼は国外にいるものの、南スーダン人のコミュニティの非常に重要な要素を代表しています」とラドソスは言いました。

 キール大統領は先月、マシャルと同盟する大臣6人を解任しました。

 金曜日の会議をまとめた国連の声明は、南スーダンの政治プロセスに包括性の必要を強調しました。

 国連は、継続する国の不安定性を考えると、逃走するまで第一副大統領だったマシャルが元の地位に戻るべきだと考えていないと言いました。

 ラドソスは南スーダン政府はさらなる平和維持軍の派遣について、国際機構との協力をまだ改善していなかったと言いました。

 「南スーダン政府、当局とは様々なレベルで接触がありますが、結果として現場での重要な進展になっていません」とラドソスは言いました。

 マシャルと交替したタバン・デン・ガイ(Taban Deng Gai)は、地域の軍隊の派遣に関して詳細を国連とさらに詰める必要があると総会でいいました。

 「国家の治癒と和解を狂わせることを避けるために必要です。外国の干渉は国内の和解にしばしば否定的な影響を及ぼします」と彼は言いました。


 前に書きましたが、国連もマシャルをまたジュバに戻そうとは思っていないことが明らかになりました。二度も試みて失敗したのですから、この方法はもう試さないでしょう。

 これは7月の武力を用いたキール大統領の謀略が失敗に終わったということです。ネタは全部バレています。

 この国連の方針転換が、ラム・アコルが新しい反政府派を立ち上げたことと関連がないはずはありません。マシャルは国外にいるまま、アコルがマシャル派を南スーダン国内で代表するのです。

 これに対して、キール大統領がどう出るかが注目されます。強行策に出れば、国連が彼を排除する方向へ動くでしょう。かといって、情報開示などで信頼を勝ち取ることは、自分たちの利益を失うことになりかねません。

 つまり、時間がかかる、方向性がいくつもある展開に入ったということです。将来の可能性は何通りにも予測できます。

 日本は自衛隊を派遣して南スーダンの和平プロセスに関与しているのに、こういう政治的な動きには関与しません。こういうおかしな展開に誰も意義を唱えない日本の政治文化は本当に奇妙であり、世界から孤立していると思います。我々日本人はガラパゴス島のイグアナと何ら変わりがありません。

 


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