ノドンの打ち上げ場所が判明
日テレニュース24が北朝鮮がノドンを打ち上げた時の映像を公開しました。(映像はこちら ただし、数週間で視聴できなくなるはずです)
この映像で、どこから発射したのかが簡単に解析できました。
下の2つの写真で場所が特定できます。ノドンを打ち上げたのが黄海北道・黄州なのは分かっています。ここには首都に通じるピョングヤン・カエソン高速道路が走っています。写真の通りの立派な道路はここしかあり得ません。この高速道路上で黄州の近くには4カ所のトンネルがあります。しかし、黄州といえるのは北側にある2カ所だけですので、北側2カ所のいずれかとなります。
|
|
画像は右クリックで拡大できます。 |
候補に挙がるトンネルは下の図の2カ所です。山には草木がありませんが、これは2015年10月27日に撮影された写真であるためです。
|
画像は右クリックで拡大できます。 |
この2カ所の地形を調べると、より映像に似ているのは北側の円のトンネルです。山の形、周囲の水田の形状、林が決め手となりました。
トンネルから少し離れたところが林に囲まれていて、そこにノドンが設置されています。トンネルの手前にはさらに高い山が2つ見えます。水田の中にある道路が高速道路とほぼ平行に走っています。
場所を特定するには撮影した季節が近い写真を見る必要があります。Google Earthの古い写真を見る機能を使って、2005年8月6日の写真を見ると、テレビ映像に酷似していることが分かります。トンネルの南に林があって高速道路を囲んでいますが、ここが打ち上げ地点と思われます。丸印がノドンを打ち上げた場所です。(kmzファイルはこちら)
|
画像は右クリックで拡大できます。 |
それにしても、北朝鮮は何を考えているのか、よくこんな映像を出してくるものです。
私はロケットランチャーがこの映像に写り込んでいるトンネルに設置された格納庫から出てきたのではないかと推測しました。外部からの接近が難しい高速道路のトンネルに弾道ミサイルの格納庫を造るというアイデアは、はっきり言ってイケています。しかし、そこにあると敵に分からせては駄目です。ならば、高速道路のトンネルをバンカーバスターで爆撃すればよいことになりますから。それは同時に、北朝鮮の道路網を破壊することにもなります。
移動式のロケットランチャーの有利性は、どこに隠してあるかが分からないということです。それは攻撃を受けにくいということにつながります。だから、このテレビ映像には、そういう北朝鮮軍の弱点を露見させる恐れがある訳です。
もし私が金正恩なら、この映像を流すと決めた奴を処刑するところですが、なにしろ、彼も映像に写り込んで、自分で自分の足を踏んでいます。
おまけですが、この映像には笑える光景が映り込んでいます。画面中央下の北朝鮮軍兵士に注目してください。手前のノドンが打ち上げられた時の噴煙に驚いて後ずさりします。彼らがロケット部隊の隊員なら不注意もいいところです。
|
画像は右クリックで拡大できます。 |
|