次世代ティルトローター機の地上実験
defensetech.orgによれば、ベル・ヘリコプター社(Bell Helicopter)は今週、ティルトローター機の実験機V-280「ヴェイラー(Valor)」の最初の地上実験で、エンジンを回してローターを回転させました。ベル社は陸軍の「未来の垂直上昇機計画」で契約を争っています。
声明の中でテキストロン社(Textron)の子会社であるベル社は、V-280試作機の制限された地上動作実験は水曜日に、テキサス州アマリロ(Amarillo)で、地上にしっかりと固定されたと言いました。施設は今秋の最初の飛行の準備においてすべての航空機のシステムと飛行コントロールを動かす一連の機能試験で最初のものでした。
試験は来週のワシントンでの米陸軍年次総会と展示会の「2017年アソシエーション」に先立ちました。
V-280は、2020年代か2030年代にUH-60「ブラックホーク」と置換するため、従来型ヘリコプターの速度と距離で2倍の、中型の次世代回転翼航空機のための陸軍の必要条件を満たすためのベル社の努力です。
ベル社の競争は、追加された速度のために推進式プロップを持つより従来型のヘリコプターである、シコルスキー・ボーイング社(Sikorsky-Boeing)のSB-1「デフィアント(Defiant)」に由来します。
シコルスキー社はロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)の子会社です。
ベル社はV-280を全軍に売ることを望みますが、陸軍は最大の潜在的な市場を提供します。
契約を得るために、ベル社はティルトローター機に対する陸軍の伝統的な反対を克服しなければなりません。
V-280は危険だと批判されているオスプレイの欠点を持たない機体と考えられています。
オスプレイはヘリモードでエンジンが垂直になるため、排気炎が下へ向けて噴射され、ローターが作る気流とともに粉塵を巻き上げ、それがエンジンに吸い込まれてエンジンの故障を招くといわれています。
V-280はヘリモードでもエンジンは水平のままで、余計な粉塵を巻き起こしません。
オスプレイは、その他にもローターが回転していても失速する「ボルタック・リング」が起こりやすい問題があります。ローターの感覚が狭く、空中給油でローターが給油ホースにぶつかる事故が沖縄で起きました。
V-280は側面にドアがあるため、兵士がラペリングで降下できる利点もあります。
色々な面でオスプレイよりも使いやすそうにみえます。
しかし、これらはコンセプトからの評価で、実機が出てこないことには、本格的な評価はできません。早く、実物が見たいものです。
SB-1の設計思想にも大きな魅力があります。
メインローターを二つにして互いに反対方向に回すことで後部ローターを不要にして、そこに推進用のプロペラを設けたのです。これにより速度が固定翼機並みに増えることになります。
つまり、厄介な問題を起こしがちなティルトローターがなくて済むのです。ティルトローターなしに、垂直理着ができる高速航空機を実現させています。
日本政府がオスプレイの導入を諦め、せめて。こういう次世代機に変えてくれることを願います。なぜ、あえて不便で危険な航空機を選ぶのか、政府は国民に説明していません。
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