アサド大統領が安全地帯の創設を拒否
alarabiya.netによれば、金曜日に公表されたヤフー・ニュースのインタビューで、シリアのバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)は、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が支援するアイデアである、難民と家を失った人たちのために安全地帯を作ることを拒否しました。
彼はシリアの主権と統一について明確な政治的な立場をとる限り、イスラム国と戦う上でワシントンと協力することを歓迎することを示しました。
アサド大統領は民兵と戦うことへの米政権の関心を注意深く歓迎しました。トランプはシリア政府の同盟であるロシアとの協力の可能性を提示しました。
バラク・オバマ元大統領(President Barack Obama)の下で、アメリカはアサドの出国を求め、彼の座を奪うために反政府派の戦いを支援しました。
シリア政府は、カタールを含む反政府派の支援者に支持された安全地帯の創設を拒否しました。安全地帯はシリアでの米軍の関与を次第に引き揚げるかもしれません、
「それはまったく現実的なアイデアではありません」とアサド大統領はいいました。「これは自然な安全地帯を持てる場所です。それはわが国です。彼らはまったく安全地帯を必要としません」「それは安全地帯を作るよりも、ずっと現実的で、ずっと実際的で、安定を保つために費用がかかりません」
アサド大統領は安全地帯は武装グループから攻撃される危険があると言いました。国連も、複数の側が激しく戦うシリアでの状況が適当ではないとして、安全地帯を拒否します。
トランプは提案した安全地帯について詳細を提供せず、それらに湾岸諸国が費用を払うというだけです。
記事の前半を簡単に紹介しました。
トランプのアイデアは実行しない方がよいですし、資金面の裏付けがありません。メキシコ国境の壁と同じく、自国ではなく、どこか外国が払えばよいという発想です。
トランプは実業家であった時も、税金面で自治体から特別扱いをしてもらうことで利益を出してきました。彼の発想は常にそうです。自分のサイフは使わない。他人の財布を活用するのです。たとえば、自分が開発した施設で雇う従業員は地元自治体圏内から採用すると自治体に約束して、税金を免除してもらうのです。自分の腹は痛まない取引です。こういうことを国際政治においてもやろうとしているのです。
単純なトランプの頭では、複雑に入り組んだシリア情勢を理解できないでしょう。彼は常に問題を単純化してしまいます。
安全地帯はイスラム国やアルカイダから攻撃を受ける可能性があります。シリア軍も歓迎しません。反政府派を自由に攻撃できなくなる可能性があるからです。安全地帯が反政府派に利用される可能性をシリア軍は考えます。反政府派も複数の派閥から成り立っていて、一枚岩ではありません。こういう状況で中立地帯である安全地帯を作っても、そこで難民たちの安全が保証できるかは疑問です。
誰がここを守るのでしょうか。北部ならトルコが候補になり、南部ならヨルダンでしょう。シリアにとって、外国軍が領地内で警備を行うことは認めたい話ではありません。米軍がやるとなると、大軍をシリアに張り付ける必要があります。
アサド大統領がいう、シリアとアメリカの協力は実現する見込みはありません。これまでアメリカは反政府派を支援してきたのです。掌を返して、現在送り込んでいる軍事顧問団を引き揚げ、協力を打ち切れば、共に活動しているNATOから強い批判を受けることになります。シリア政府にとって、反政府派はテロリストです。アメリカも反政府派をテロリストに指定するとすれば、大きな矛盾を露呈することになります。
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