イラク軍がモスル南部で地歩を固める

2017.2.22


 alarabiya.netによれば、イラク軍は火曜日、民間人が政府支配地域へ前線に沿って避難する中、イスラム国が支配する街西半分へ移動する前にモスル(Mosul)南部の獲得を強固にしたと、軍報道官はいいました。

 この意見はイスラム国をイラクで2番目の街から潰走させるために決定的な前進となると期待されるものの3日目にだされました。

 統合軍作戦司令部報道官、ヤヒヤ・ラソール准将(Brig. Gen. Yahya Rasool)は、土曜日に新しい前進が始まってからモスル南部の約123平方キロが獲得されたといいました。

 兵士たちは現在、街の中へ行く幹線道路上のハマム・アル・アリル交差点(Hamam al-Alil)モスル空港を見渡す戦略的なアブ・サイフ丘陵を完全支配したと、ラソール准将はいいました。

 精鋭イラク軍は現場の正規軍と治安部隊に加わるために移動したと、彼は付け加えましたが、次に何が必要かは言いませんでした。


 ハマム・アル・アリル交差点の位置は正確に分かりませんが、モスルの南の方にそういう名前の街がありますので、この付近と思われます。ここを獲得したということは、東部の軍隊はここで河を渡り、西岸へ移動するのかも知れません。

図は右クリックで拡大できます。

 アブ・サイフ丘陵は空港の南西にある丘で、ここは間違いなく戦略的に重要です。空港や街を見渡せる上に、イラク軍にとっては防御用の地形になり、イスラム国による突撃から身を守ってくれます。丘陵の西にある1号線は進撃路として活用できますし、丘陵の中にも使える道路があります。

図は右クリックで拡大できます。

 123平方キロを占領したといっても、イメージが湧きませんので、どれくらい広いのかを調べました。下の黄色い線で囲まれた範囲が123平方キロです。もちろん、この範囲を占領したのかは分かりませんが、ハマム・アル・アリルの北部からアブ・サイフ丘陵にかけての地域が入っています。占領地帯が幹線道路沿いだとすると、占領範囲をさらに南へ拡げられますので、ハマム・アル・アリルまでは完全に含まれることになります。ラソール准将は成果を誇張することなく、正確に述べているのだろうという一定の確証は得られる訳です。

図は右クリックで拡大できます。

 ごく短い記事でも、このように分析することで、確証を得ることができるのです。

 

 

 


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