疑問が残るイエメン襲撃の詳細
BBCがこれまでに判明したイエメンでの海軍シールズによる急襲について伝えてます。
米特殊作戦軍の隊員は土曜日にイエメン中央部で襲撃を実行し、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)の指導者の家と疑われる場所を狙いました。
米軍は初期に、14人と見積もられる民間人が殺され、海軍遊撃隊員1人も死亡したといいました。
しかし数日後、数人の死んだ子供の写真がソーシャルメディアに現れ、2011年に無人機の攻撃で殺されたイエメン系アメリカ人の聖職者、アンワル・アル・アウラキ(Anwar al-Awlaki)の家族が、彼の子供が銃殺されたと言ったあとで、多数の民間人も殺されたようだと認めました。
ここに我々が知り、報道されたものがあります。
米特殊作戦軍のメンバーは、最近のイエメンでの米無人機による攻撃の焦点であるバイダ州(Bayda)のヤクラ地域(Yakla)でAQAP高官のものと疑われる施設を狙いました。
ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)がはじめて承認した秘密の任務は、アメリカが(AQAP)をより詳細に見るために必要な情報を集め、外国人テロリストの攻撃を防ぐことを可能にすることを意図したと、米国防総省報道官ジェフ・デイヴィス海軍大佐(Capt Jeff Davis)はいいました。
米当局者によれば、施設の近くで航空機から降下した後、米特殊部隊のメンバーは、内部でAQAP民兵と疑われる者たちと激しい銃撃戦を行いました。
米海軍精鋭特殊部隊「チーム6」の隊員、ウィリアム・オーウェンズ上等兵曹(Chief Petty Officer William Owens)が戦死し、戦いは約50分間続いたと報告されます。
別の米軍隊員3人がティルトローター機、MV-22「オスプレイ」が作戦の間にハードランディングした時に負傷したとデイヴィス大佐はいい、使用不可能なオスプレイはその後に米軍の空爆により破壊されました。
AQAPは声明で、戦闘員が襲撃で使われたという米軍のアパッチヘリコプターの4機中1機を撃墜し、総計16発のミサイルが3軒の家に向けて発射されたと言いました。
指導者の一人、アブドル・ラウフ・アル・ダハブ(Abdul Rauf al-Dhahab)が約30人の村人と共に殺され、未確認の女性と子供を含むと、アルカイダはいいました。
現場で医療関係者がロイター通信に女性と子供10人を含めた約30人が殺されたと述べた一方で、イエメン当局者は「the New York Times」に少なくとも女性8人と3歳から13歳までの子供数名が死んだと言いました。
人権団体「Reprieve」は子供10人を含めた約23人の民間人が殺された証拠を得たといいました。「Reprieve」は、出産を控えた母親が襲撃の間に銃撃され、その後、負傷した男の子を出産し、その子は火曜日に死亡したという地元の記事も引用しました。
彼女の祖父によれば、殺されたと疑われるもう一人の子供は、AQAPの理論家、アンワル・アル・アウラキの8歳の娘、ナワル・アル・アウラキ(Nawar al-Awlaki)でした。ナジア・アル・アウラキ(Nasser al-Awlaki)はNBCに、ナワルはノラ(Nora)として知られ、襲撃の時に母親の家を訪問していたと言いました。
「彼らは家の中で座っていて、2時30分に銃弾が彼女の首にあたりました。同じ家にいたその他の子供たちは殺されました」と元農業大臣はいい、ナワルが撃たれた2時間後に死亡したと付け加えました。
「米特殊部隊はもう一つの家に入り、その中にいた全員を殺しました。女性全員を含めてです。彼らは家を焼きました。アルカイダと一緒だったサウジアラビアの女性1人が(家の中に)いたかも知れません。我々が知っているのは、彼女が子供たちの教師だったということです」。
ソーシャルメディアと地元メディアで出回った写真は、殺されたと疑われるその他の子供と共に彼女の死体と称するものを示します。
イエメンの外務大臣、アブドル・マリク・アル・メカラフィ(Abdul Malik al-Mekhlafi)も、米軍の説明にも関わらず、日曜日にツィッターに「司法管轄外の殺人と民間人の殺害はテロリズムを支援する非難される行為です」と書いたようです。
月曜日、デイヴィス大佐は記者に、米国防総省は民間人の犠牲に関する主張を評価していますが、女性の犠牲の報告を鵜呑みにはしないと言いました。
「この一部には多数の女性戦闘員がいます」「我々はこの作戦が行われる間、それが行われていた時に、女性戦闘員が事前に確立された陣地へ走るのを見ました。彼女たちは準備する訓練を受けていて、戦闘員となるよう訓練を受けたかのようでした」と彼はつけ加えました。
水曜日、米中央軍司令部は、調査チームが遺憾にも銃撃戦の間に民間人の非戦闘員が殺されたようだと結論したとの声明を出しました。
犠牲者には子供が含まれるかも知れないとと認めましたが、ナワルがその中にいるかは特定しませんでした。
最後の段落は過去のイエメンでの作戦に関する説明なので省略しました。
この記事にはいくつか目新しい情報が含まれています。
墜落したオスプレイは海兵隊のMV-22でした。
銃撃戦は50分間続きました。増援が駆けつけたり、米軍に犠牲者が出るには十分な時間です。
情報収集が目的なのに、襲撃した家に砲火もしています。これにより貴重な情報が焼失する危険があったと考えられます。
どうも、作戦の狙いがよく分かりません。指導者の逮捕または殺害が狙いだったのではないかとも考えられます。そうでなければ、家に放火する必要はありません。
しかし、アルカイダ要員とされる者たちがいる家には到達しており、そこにいた者たちを殺害していることから、特殊部隊は家に接近する前に発見されてしまったものの、銃撃戦で敵を制圧して、目的の家に侵入したのは間違いがないようです。安全に情報を収集するためには、そこにいる者たちを皆殺しにする必要があったということになります。
特に、事前に発見されたために、近くの部隊に応援要請が出た可能性があり、シールズ隊員は焦っていたと考えられます。放火は証拠を隠したいという心理から行われたのかも知れません。オサマ・ビン・ラディン暗殺でも、パソコンなどを押収しましたが、家に放火まではしませんでした。 この点を米軍がどう評価するかが気になります。
こういう作戦の場合、女性と子供を見分けて、守るべき者だけ守るのが困難なのは確かです。犠牲者については、悪い時に悪い場所にいたという結論で片付けられる可能性が高そうです。
いずれもっと詳しい情報が出るでしょうが、残念な結果だったという結論になるかも知れません。しかし、トランプ政権の最初の軍事作戦としては、いかにもそれらしい内容だったといえます。
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