米指揮官がラッカとモスル攻略に半年間と予想

2017.2.9


 military.comによれば、中東の米軍最高指揮官は、ラッカ(Raqqa)とモスル(Mosul)からイスラム国を追い出す作戦はおそらくさらに半年間かかるといいました。

 「次の半年間以内に、私は両方が決着するのをみると思います」と、生来の決意作戦の共同統合機動部隊、スティーブン・タウンゼンド陸軍中将(Army Lt. Gen. Stephen Townsend)はいいました。

 バグダッド(Baghdad)北部の訓練基地タジ・キャンプ(Camp Taji)への訪問中、タウンゼンド中将はモスル西部を解放する作戦は次の数日中に開始されると予測するといいました。

 彼はラッカ攻撃を開始するタイムラインは提示せず、機動部隊報道官のジョン・ドリアン空軍大佐(Air Force Col. John Dorrian)によれば、アメリカが支援するシリア系アラブ人とシリア系クルド人民兵がいるラッカは、街を占領する活動の包囲段階にあります。

 10月17日に始まったモスルに対する作戦は、イスラム国の防衛者が屋上、裏通り、通りの下にあるトンネルの迷路からイラク軍精鋭対テロ・サービス部隊と戦ったために、アメリカが「立体的」と説明する市街戦の後で1月に東部を占領するのに成功しました。

 米国防総省へのビデオ会見で、ドリアン大佐はイスラム国は依然として迫撃砲をチグリス川西側から東部へ撃ち込み、小型の爆弾を落とす無人機を送っているものの、攻撃は効果が限定的で、より人口が多く、立て込んだ街の西側を占領するために計画された作戦を遅らせることはないといいました。

 ラッカを奪還する作戦はバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)の政権を支援するロシア軍の存在、トルコのロシアとの協力、地域にわたる民族的、政治的な競争を生んだ5年以上のシリア内戦により難しくなります。

 アメリカは別に、北からラッカへ前進するシリア民主軍を作り上げて対処しようとします。

 ドリアン大佐は繰り返して、アメリカはシリア民主軍内部のシリア系アラブ人同盟を武装させるものの、NATOの同盟国トルコがテロ組織とするシリア系のクルド人民防護隊(YPG)には行わないといいました。

 トルコは作戦末、アレッポ(Aleppo)がロシア空軍力の支援でアサドの軍隊に陥落した後で、シリアでの停戦を調整する話し合いのためにロシアとイランと結びつきました。

 アメリカはモスクワでの停戦会談から外されました。

 ドリアン大佐はラッカへの前進が進行中だといいました。

 「我々が予想するのは、次の数週間の内に、街がほぼ完全に孤立し、それからどの部隊が実際に市内への攻撃を行うかに関して決断点する時があるということです」と彼はいいました。

 トルコは断固として、これまでにシリアで最も効果的な反政府戦闘部隊のYPGが街に入ることに反対です。

 トルコ当局は彼らの軍隊が攻撃に参加するかもしれないと示唆しました。

 シリアでどのようにイスラム国に対して前進するかについてアメリカとトルコの間の分断は、アメリカに国境地帯を掃討するトルコ軍へ航空支援を差し控えさせましたが、ドリアン大佐はアメリカは現在、シリア北部のアル・バブ(al-Bab)をイスラム国から奪還するための活動において、トルコ軍と調整した空爆を行っているといいました。

 火曜日、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)は、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)と関係強化について電話で話しました。

 トランプは戦略的パートナーでありNATO同盟国としてトルコを支援すると繰り返し、対イスラム国作戦へのトルコの貢献を歓迎したといいました。

 水曜日に、アンカラ(Ankara)で、大統領報道官、イブラヒム・カリン(Ibrahim Kalin)は、エルドアン大統領はシリア国内に難民のための安全地帯を作り、追放されたイスラム聖職者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)を引き渡すというトルコの要求を再開したと、トルコの「Anadolu」紙は報じました。

 ペンシルバニアに住んでいるエルドアン大統領の元同盟者のギュレンは昨年7月のトルコでのクーデター未遂を先導したとエルドアンに非難されています。

 先月、ABC-TVのインタビューでトランプは「私はシリアで安全地帯を絶対にやります」といいました。

 バラク・オバマ元大統領(President Barack Obama)の政権は、コストがあまりにもかかり、地帯を守るために米地上部隊の大きな関与が必要だとして、安全地帯のコンセプトを否定しました。

 トルコとの関係改善の徴候として、新任のCIA長官、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)は、トルコのカウンターパートと会談するために木曜日に最初の外遊をすることになっています。

 木曜日、上院外交委員会公聴会のために用意された意見において、元駐イラク・トルコ米大使のジェームズ・ジェフリー(James Jeffrey)はラッカ奪還のための計画はトルコとの対立ではなく、合同でなされるべきだといいました。

 「The Washington Institute for Near East Policy」の著名な特別研究員であるジェフリーは、トルコは4月のトルコ憲法の国民投票の後で、アメリカのYPG支援をより受け入れる用意があるかもしれないといいました。

 彼は「アメリカがイスラム国に対して早急な勝利を望むなら、おそらく部隊の支援により関与し、地上戦闘部隊の隊列は多分制限されます」ともいいました。

 先月、トランプは新任のジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)に、イスラム国打倒を加速するための新しい計画を考えるために30日間与えました。

 水曜日、マティス長官は新任のイラク国防大臣、アルファン・アル・ハヤリ(Defense Minister Arfan al-Hayali)とイスラム国作戦全般を議論し、モスル西部を開放する作戦を計画するために電話で話しました。

 先月、アシュトン・カーター(Ashton Carter)が国防大臣を辞める直前、より多くの米地上部隊は、戦いを行うために地元のパートナーに依存するイラクとシリアでの回答ではないといいました。

 より多くの米兵は「敵の条件下の戦いで、それは外国の街での歩兵戦闘です」とカーターはAPにいいました。


 ラッカ攻略は半年までかからないような気がしています。タウンゼンド中将は余裕を持った数字を出したのかも知れません。

 トルコの思惑はあるものの、ラッカ攻略を失敗させるような判断はしないと思っています。トルコのラッカ攻略参加があり得るのは、以前から指摘しているとおりです。ヨルダンがどうするのかも気になっています。

 気になるのは、トランプが安全地帯構想に賛成していることです。これには、どこの軍隊が安全地帯を守るのかという問題があります。オバマがこれに反対したのは、賛成すれば、米軍は大規模な作戦を要求し、後戻りできなくなる危険があると考えたからでしょう。アメリカも動き出したら止まらない傾向があり、オバマはそういう道を常に警戒してきました。

 トランプが分かりやすい作戦を好むのは予想されることです。マティス国防大臣がどんな計画を立案するのかにより、アメリカの未来は大きく変わるでしょう。トランプは自分で判断できないので、マティスの説明に頷くだけでしょう。マティスが泥沼の道を選択すれば、アメリカは2003年のイラク侵攻に逆戻りします。この計画がマティスの評価を左右することになるはずですので、しっかりと見極める必要があります。

 

 


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