アムネスティが南スーダンの刑務所を告発

2017.3.31


 sudantribune.comによれば、南スーダン当局は、首都ジュバ(Juba)で国家情報局本部に起訴されることなく拘束されている28人の男性を含め、すべての抑留者を解放しなければならないと、アムネスティ・インターナショナルはサルバ・キール大統領に宛てた書簡でいいました。

 この要請は南スーダンの指導者が国内の政治的な抑留者すべてを釈放すると公に誓約したあと1ヶ月になろうという時に来ます。

 「3年前に紛争が始まってから、大勢の人々、大半は男性が起訴されることなく保安当局に逮捕され、長い期間、苦しい状況で拘束されています。その他の人たちは国家安全保障局と軍情報局の手において跡形もなく姿を消しました」とアムネスティ・インターナショナルの事務総長、サリル・シティ(Salil Shetty)は声明で言いました。

 「キール大統領の誓約は歓迎しますが、我々は彼にさらなる手順を踏み、政府治安当局の恣意的な拘留の慣習、強制された失踪、拘留中の死亡、拷問、その他の虐待について完全な調査を命じるよう求めます」

 グループは、20人の男性が2014年2月から2016年12月の間に、ジュバの別々の拘留施設で死亡したと言いました。

 一方、南スーダンの刑務所局の長官、ヘンリー・クアニ将軍(General Henry Kuany)は、この状態にある囚人たちは食べ物を食べていないと言いました。

 クアニ将軍は問題が国の経済危機にあると考えます。

 「囚人達は十分な食べ物を得ていませんが、彼らは給食となるものの半分を得ています」と彼は月曜日に言いました。

 クアニ将軍は状況は、ジュバではまったくよくなく、そこには1,000人以上の収容者がいて、一日の食事を得るのにも苦労すると言いました。

 当局によると、ジュバ中央刑務所は現在、1,000人以上の収容者に一日に小麦の袋を17袋使い、それは不十分です。

 彼はジュバとその他の州で刑務所に食糧を提供する請負業者30社以上は、政府に莫大な金額を要求したと言いました。

 クアニ将軍はさらに、業者の一部は働くのを止め、一部はまだジュバで囚人にだけ提供していると明らかにしました。

 「市場価格は非常に高く、彼ら(業者)が必要な食糧を囚人に提供するために買うことができるものを超えています」と彼は言いました。


 読んでいると、まるで戦時中の連合軍兵士の捕虜収容所みたいな話になっています。

 日本軍は捕虜を人道的に扱わず、東京の大船には海軍が設けた秘密の拷問施設までありました。食糧は十分に与えず、重労働をさせました。重病人、重傷者は第三国を通じて本国送還にすればよかったのに、それもしませんでした。国民も飢えている時に、捕虜に食べ物を与えられないとの意見はありますが、これは当時のジュネーブ条約にも違反しており、戦後に改正された時には、捕虜を管理する国と同じものではなく、体重が減らないような健康的なものを与えるよう改正されました。

 同じ状況が南スーダンでも起きています。食べ物が足りないのなら、一部は釈放すれば政府の負担は済みます。しかし、それをすると反対勢力に逃げて、自分たちの敵になると思うから、釈放できないのです。こういう場合、抑留者は拘置施設の中で死亡する場合がほとんどです。

 近代的な憲法はどれも、理由を告げられずに逮捕されず、迅速な裁判を受ける権利が保証されています。起訴することなく、長期間拘束するのは、人道に反すると考えられています。南スーダン政府のやり方は、言うまでもなく許されません。

 しかし、同じことを同時多発テロ以降のアメリカはやりました。テロ容疑者を長期間、秘密の施設に拘束し、拷問も行いました。こういう非人道的な行為は許されず、外交ルートを通じて南スーダン政府に抗議すべきですが、日本政府はこういうことには興味を示しません。ここ何年も自衛隊を派遣することだけには熱心だったのにです。

 こんな国に自衛隊は派遣されています。南スーダン人国民から見たら、自衛隊には食べ物もその他の物資もあるわけで、それが原因で狙われる可能性もあります。そういう別の危険もあります。

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.