米軍が弾道ミサイル用にレーダーを更新
defensetech.orgによれば、米空軍は弾道ミサイルを探知するレーダーを更新したいとのことです。
米本土防衛に責任を負う空軍将官は、北朝鮮のミサイルの脅威に進歩した警告をするために、議会から提供される追加の金をレーダー更新に使うと言いました。
「北朝鮮の戦略兵器実験が過去にない速度の中、実行可能な警告を提供する我々の能力は減少し続けます」とアメリカ北方軍司令部指揮官のロリ・ロビンソン大将(Gen. Lori Robinson)は上院軍事委員会で先週金曜日書面での証言でいいました。
「北朝鮮の閉鎖した社会と堅固な拒絶と偽装能力は、ミサイルと核実験の準備を観察する我々の能力に挑み、懸念は危機や戦時において悪化し、アメリカを守る我々の能力を複雑にします」と彼女はいいました。
北米航空宇宙防衛司令部指揮官を兼ねるロビンソンは、現在の衝突破壊型の対ミサイル防衛がうまく北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を迎撃できることを極めて確信しているといいましたが、彼女は北朝鮮が液体から固体燃料ロケットへ切り替えたことに懸念を表明しました。
固体燃料ロケットは発射前により短い時間で済むと彼女はいいました。
北方軍司令部が追加の10億ドルを与えられたら金をどうするか尋ねられると、ロビンソン大将は適切なレーダーを適切な場所へ設置するのに使うと言いました。
「それが私が真っ先にすることです」。
ロビンソン大将は北方軍司令部が長距離識別レーダー(the Long Range Discrimination Radar: LRDR)を展開しようとしているといいました。
この重要なミッドコースのセンサーは、アメリカを持続的に範囲に収めることを向上し、潜在的な対抗措置に対する我々の目標追跡と識別能力を向上するするでしょう」。
2015年、国防総省はロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)に弾頭と囮を識別するLRDSに7億8400万ドルの契約を与えました。
北朝鮮の指導者、金正恩(Kim Jong Un)は、アメリカ本土を攻撃できる核弾頭を持つ固体燃料ICBMを造り、試験する意図を隠そうとしません。
2月11日、北朝鮮は固体燃料で動く新しい弾道ミサイルの実験に成功したと発表しました。
北朝鮮の脅威は先週の中国、習近平主席(President Xi Jinping)とドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)との、フロリダ州のトランプの私有地マー・ア・ラゴ(Mar-a-Lago)での会合の主要議題でした。
土曜日、米太平洋司令部指揮官、ハリー・ハリス海軍大将(Adm. Harry Harris)は空母カール・ビンソン(Carl Vinson)とその戦闘群にオーストラリアへの寄港を中止して、西太平洋水域へ戻るよう命じました。
委員会への初めての証言で、女性で初めて戦闘指揮をとるロビンソン大将は、北方軍司令部と北米防空軍は「最近の歴史の中で最も多様で、危険な戦略的環境で活動しています。アメリカとカナダへの脅威はますます全世界で、地域を越えて、あらゆる分野で、性質において多機能的です」と言いました。
「ロシア、中国、北朝鮮、イラン、そして非国家の過激派軍は複数の分野で、複数の手法で、ますますずっと大きな能力があります」と彼女はいいましたが、北朝鮮の脅威は特に懸念です。
昨年は「アメリカに到達する核弾頭弾道ミサイル能力の兵器化を追求する核兵器・ミサイル計画で、北朝鮮が最も活発な年でした」とロビンソンはいいました。
「平壌は4回目、5回目の核爆発と大陸間弾道ミサイル級のブースターを使った二度連続した人工衛星打ち上げを完了し、中距離弾道ミサイルと潜水艦発射ミサイルを行いました」と彼女はいいました。
しかし、「私は北朝鮮からの限られた長距離弾道ミサイル攻撃から本土を防衛する、弾道ミサイル防衛システムの地上配備型中距離防衛部隊を使う我々の能力に自信があります」とロビンソン大将はいいました。
名刀を持ちながら視力が弱い侍と、ナマクラ刀しかないけど視力がよい侍はどちらが強いかという話です。あるいは、防具を着けない者と防具を着けた者が剣道の試合をするのを想像してください。
敵を攻撃するには、まず敵が見えなければなりません。
アメリカはすでにレーダーの改善に取り組んでいます。日本は新型のTHAADミサイルの導入や敵地攻撃能力の構築について自民党内で話を詰めています。レーダーの更新や早期警戒衛星の開発は話にのぼっていると聞きません。これは敵が見えないのに刀を振り回す侍みたいなものです。
敵地攻撃能力を実現するには24時間、北朝鮮を空から監視するようなシステムが必要です。北朝鮮は水平線の遥か向こうにあり、日本からは監視できません。そういう遠方で活動する部隊を持つということです。ここまでの能力は自衛隊にはまったくありません。
核シェルターという防具を持たない日本は数発の原爆で大混乱に陥ります。スウェーデンは6万5千個所を超える核シェルターを持っているのに、日本には何もありません。
自民党の石破茂氏は、ソウルが火の海になる可能性に言及し、在韓邦人を避難させる方法について論じました。しかし、東京都や横浜市に在日米軍基地があるのですから、まずは首都の心配をすべきでしょう。在韓法人の人数は東京周辺に済む日本人と比べれば僅かです。何を優先すべきか、考える必要もなく明らかなはずです。
考えてみると、この国では日本が弾道ミサイルで攻撃される可能性について、まともな対策をしてきませんでした。公共のシェルターは一つもありません。
北朝鮮の弾道ミサイルによる攻撃が現実化しようとしているのに、政治家たちは筋違いの議論に終始しているのです。これでは戦う前に、我々はすでに負けています。
まずはより高性能なレーダーの導入や早期警戒衛星を持つことを検討すべきでしょう。日本の位置は韓国よりも北朝鮮から遠く、当然、ミサイルの発射を探知するのも遅れます。それを補う方策が必要なのに、政治家たちは考えようとしません。このままでは大きな被害が出ます。
ロビンソン大将の発言は有益ではありますが、一方では型通りでもあります。脅威はあるものの、我が軍は十分に対処できますという主張は、特にミサイル防衛に関しては定番なのです。しかし、他の軍隊の部門と違い、ミサイル防衛は実戦によって能力が高まるということがありません。開発時の兵器の性能がほとんどすべてです。イージス艦の戦闘も、いまやすべて自動化されていて、兵器をスタートさせると、あとは戦闘管制コンピュータが自動的に判断して武器を発射します。ミサイル防衛はその最先端といえ、人間が入り込む余地はありません。最適なタイミングでミサイルが発射されて、後は祈るだけなのです。
つまりは、やってみないと結果は分からないという世界です。地上戦闘なら、戦史から結果を予測できますが、秘密が多いミサイル防衛は開発者が主張する性能を信じるしかありません。米軍が導入するというレーダーが本当に囮の弾頭を見分けられるのかも、本当のところは我々には分かりません。開発者たちだって、実験の結果しか分からないのです。相手がそれ以上のものを打ち込んできたら、手の打ちようがありません。
だからこそ、核シェルターのような被害を減らす施設が必要なのです。
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