安倍首相がサリン攻撃の可能性を指摘

2017.4.15


 military.comによれば、安倍晋三首相(Prime Minister Shinzo Abe)は木曜日、権威主義的な国によるミサイル・核実験が差し迫っているとの国際的な懸念がたかまるとき、北朝鮮がサリン神経ガスを搭載したミサイルを日本へ向けて発射するかも知れないと警告しました。

 「北朝鮮がすでに弾頭としてサリンを持つミサイルを撃つ能力を得ている可能性があります」と安倍首相は議会の委員会へ言いました。

 安倍首相は高まった地域の緊張の時に、日本の準備についての質問に答えていました。平壌が週末にその創設者、金日成(Kim Il Sung)の105回目の記念日を準備するとき、米海軍空母が朝鮮半島へ向かっています。そして、米韓軍事演習が進行中で、北朝鮮はいかなる侵略に対しても強く報復すると警告して言葉を強めました。

 韓国は長らく、北朝鮮は選択すれば6回目の核実験を実行できると考えていると言っています。北朝鮮を監視するウェブサイト「The 38 North」は、豊渓里の核実験場の衛星写真は、爆発のために充填され、準備していることを示すと言いました。

 研究者のジョゼフ・S・バーミューデス・Jr(Joseph S. Bermudez Jr. )とジャック・リウ(Jack Liu)は、水曜日に撮影された写真は、主要な管理地域の要員と装備や補給品のパレットだけでなく、施設の北の坑道周辺で活動が続いていることを示すと書きました。

 韓国の国防白書によれば、北朝鮮は決して認めないものの、国際的な化学兵器条約に署名していない北朝鮮は、5,000トンの化学兵器を持っていると信じられています。

 専門家は北朝鮮が韓国を攻撃すれば、航空機から投下されたり、ミサイルや大砲、擲弾筒で運ばれた化学・生物兵器でソウルの防衛を狙いそうだといいます。

 安倍首相は、最近のサリン神経ガス攻撃で数十人が殺されたシリアを、日本が真剣になるべき実例としてあげ、北朝鮮に対する抑止を強化する必要があると強調しました。

 日本は大衆を安心させるために、大衆を守る努力に関して、今週いくつかの手順をとりました。

 火曜日、外務大臣は日本人の住民と韓国にいる旅行者に渡航安全情報を出し、高まる緊張を思い出させました。しかし、菅義偉官房長官はいかなる差し迫った危険も否定しました。

 木曜日、安倍首相は最近の北朝鮮の展開と平壌からの挑発を受けた場合の対応方法を分析するために国家安全保障会議を招集したと、管官房長官は言いました。北朝鮮は情報源を示さずに、北朝鮮がいくつかの施設に相当な量の化学兵器を備蓄していると付け加えました。

 緊張の高まりとトランプ政権の北朝鮮に対するさらに攻撃的な政策は、みたところ安倍政権がより強力な防衛のための大衆の支持を得ることを助けているようです。

 戦後の憲法下にある日本は自衛だけに軍事的役割を制限されていて、攻撃と核兵器の能力に関してアメリカに依存します。しかし最近、安倍首相が統治する政党は、敵ミサイルを撃墜する能力を更新し、それが発射された基地を攻撃する能力を獲得することを含めて、日本がミサイル防衛を強化しすべきだと提案しています。

 ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)の政権は北朝鮮に対する上で軍事オプションを除外せず、水曜日に安倍首相は「緊張は確実に高まっています」と危機の際に日本国民のために増加した安全対策を模索する彼の政党の政治家たちにいいました。


 この記事はAP通信が配信したものですが、これをmilitary.comが掲載するとは思いませんでした。記事の最後は金正恩の最近の動向について書かれています。

 しかし、こうして見ると、首相の発言がいよいよ変なことが分かります。

 15日、安倍晋三首相は新宿御苑で「桜を見る会」に出席しました。自衛隊出身の自民党参議院議員の佐藤正久氏は東部方面後方支援隊総隊の15周年記念行事に参加しました。

 北朝鮮からのサリン攻撃があれば危険な、露出した場所に政府要人がいた訳です。万一、そこにサリンを搭載した弾道ミサイルが飛んできたらどうするのか?。彼らは飛んでこないと確信しているから、そこにいる訳です。

 自衛隊に特別な警戒態勢の様子はなく、隊員は週末の休暇で外出し、各地の部隊では新入隊員の入隊式が行われています。

 一方で、収まらないのは作家の百田尚樹です。ツィッターで「すべてのニュースと情報が戦争を示唆している。 なぜ、日本のメディアは、それが読み取れない?」とか「もし北朝鮮のミサイルで私の家族が死に、私が生き残れば、私はテロ組織を作って、日本国内の敵を潰していく。」などと書き散らしています。

 軍事常識から考えれば、現段階での戦争開始はあり得ません。米軍は朝鮮半島周辺で活動し、空と海で北朝鮮軍とツバ競り合いはやっても、本格的な戦争をする気はありません。

 米軍は韓国にいる米軍人家族を退避させていません。本気でやる気なら、彼らを守るために帰国させます。

 二個空母打撃群を派遣したら、北朝鮮が核実験を止めるかどうかを確認するのが、今回の派遣の意義です。どれくらいの圧力に、北朝鮮がどのように反応するかを確認したいのです。

 北朝鮮軍の航空機と艦船は米軍を探知しようと動き回るでしょうが、米軍は戦闘を回避しつつ、彼らより先に動き、その実力を見せつけるでしょう。それで十分な効果があるのです。

 百田氏が彼の意見を否定する者を外国の工作員と呼ぶなら、自衛隊は全員が工作員ということになります。

 生地に軽く触れられているように、自公政権の防衛政策は不十分です。ミサイル防衛や敵地攻撃能力についてのみ論じ、国民を直接守るNBC兵器対応シェルターの建設には驚くほど無関心です。地下にあるコンクリートの塊は、政治家たちにはよほど、醜く、価値のないもののようです。槍を尖らせておけば、盾はなくてもよいという発想です。

 自民党のやり方は、外国の脅威を言い立てて、国民を震え上がらせ、新しい兵器の導入に賛成させるというものです。そのためには脅威を誇張することも避けません。これでは適切な防衛態勢を構築することはできません。

 安倍首相がサリン攻撃があり得ると言ったのも、そういう策略の一環です。シリアで起きたサリン攻撃をとりあげて、日本人を怖がらせ、新しいミサイルを導入しようという頭しかありません。

 北朝鮮が様々な化学兵器を製造し、備蓄していることは何年も前から明らかになっており、工場と備蓄施設がどこにあるかも分かっています。いまさら、サリンだけ取り上げるのは不自然なことです。

 スウェーデンが冷戦時代から地下シェルターを建設し続け、いまも行っているのは、まさにイソップ童話の『アリとキリギリス』を連想させます。もちろん、スウェーデンがアリで、日本がキリギリスです。勤勉で知られる日本人が、なぜこういう堅実な防衛態勢の構築に興味を示さないのかは、本当に不思議です。

 『アリとキリギリス』にたとえるなら、北朝鮮はアリ、日本はキリギリスです。北朝鮮は真剣にミサイル・核開発に邁進して、いまやその目的を実現しようとしています。日本は目の前の富に目を奪われ、堅実な防衛態勢の構築を怠ってきました。我々はすでに負けています。政治家が目を覚まし、方向を変えない限り、我々は負け続けます。

 

 


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