フィッツジェラルド修理の展望
defensenews.comが衝突事故を起こした駆逐艦の修理の見込みについて報じています。
背景について話した3つの海軍筋によれば、ACXクリスタル(ACX Crystal)のバルバスバウは、U.S.フィッツジェラルド(U.S. Fitzgerald)の吃水線の下に3.7☓5.2mの穴を開け、とても大きな裂け目は急速に3つの区画を浸水させました。下士卒たちには寝室を避難するのに約1分間があり、数名は寝台に殺到した海水によって起こされたと、事故の詳細に詳しい2つの情報筋は言いました。
艦が衝突警報を鳴らした形跡はありません。それは眠っている乗員に衝突の前に大災害について警戒させます。しかし、それらの詳細は進行中の海軍の調査の対象です。
衝突は艦の右舷側の構造物とSPY-1レーダー・アレイに重大な損傷も与え、主要な機械室、無線中枢に浸水し、何百万ドルもの高価な装備と機材を使えなくしました。
調査官たちが悲劇的な事故を導いた謎を解こうとする一方で、海軍は複雑な技術問題、どうやってを傷つけられた船殻を水上へ出すのに足るべく固定するかを解決しようとしています。そしてそれから、彼らは損害がどれくらいひどいか、修理できるか、場所はどこかを明らかにしなければなりません。
海軍の技術者たちはどうにかほとんどのスペースを排水して、傷ついた船殻に継当てをしていると、第7艦隊報道官、クレイ・ドス(Clay Doss)は電子メールで言いました。
「USSフィッツジェラルドは、引き続く調査と修理を行うために、来月早くに横須賀艦隊活動司令の乾ドックへ入るために準備しているところです」とドスは言いました。「弾薬の積み下ろしは6月25日に終わりました。追加の準備は排水、燃料抜き取り、船殻への一時的な継当ての設置を含みます。艦がドックに入ったら、アメリカで長期間の修理を行うためのオプションを通知する技術的評価が行われます。
最初から、海軍は艦を修理しようとしていました。6月17日の衝突直後の記者会見で、第7艦隊指揮官、ジョセフ・P・オークイン中将(Vice Adm. Joseph Aucoin)は記者に、長いプロセスになると言いました。
「うまく行けば1年も経たずに、USSフィッツジェラルドが復帰するのを見られるでしょう」と彼は言いました。
フィッツジェラルドの修理
初期段階の注目は、艦を自ら出すために十分に安定させることになるでしょう。それは7月6日と8日の間のどこかだろうと海軍はいいます。水から出したら、海軍は艦の完全の調査を行います。
海軍当局者によれば、潜在的な懸念の一つは、衝突の力が上部構造を曲げたかも知れず、艦のSPY-1レーダーの調整問題を生んだかもしれないということです。修復は修理費用に大金を追加するかも知れず、桁違いの費用すらかかるかもしれませんが、それらの評価はまだ完了していません。
ドスは調整の懸念に関してコメントを辞退し、進行中の損害評価と修理計画に言及しました。
1988年に機雷に触れたときにフリゲートのサミュエル・B・ロバーツ(Samuel B. Roberts)の主任エンジニアだったゴルダン・ヴァン・ホック退役大佐(Capt. Gordan Van Hook)は、艦を水から出すだけで一仕事で、仕事そのものだと言いました。
「あらゆる艦は、乾ドックに行く時、ドック入りの計画があります」とヴァン・ホックは電話インタビューで言いました。「艦を支えるためにキールの下にブロックを置くことが関係します。しかし、船殻の大部分が損傷したり貫通したりすると、それは艦が持ちこらえるはずのない多くの荷重とストレスを作ることができて、それを正しくしないなら、キールを曲げたり外板の条列を損傷するかもしれません」。
それは艦のドック入り計画が損害を受けた船殻のためにやり直す必要があることを意味します。艦のキールは衝突を経て問題なかったと、当局者は初期評価に基づいて信じます。海軍はなんとかサミュエル・B・ロバーツの完全に壊れたキールを直したものの、壊れたキールを修復するのは、別の莫大な原価作用因となります。
修理への資金供給は補正財源から来そうだと、駆逐艦コール(Cole)がイエメンでテロリストに攻撃され、修理を必要としたときに米艦隊司令部を率いた、ロバート・ナター退役海軍将軍(Adm. Robert Natter)は言いました。
「修理費用で海軍にとっての自然な立場は『海外非常事態活動資金』です」とナターは言いました。
海軍がコールを直すために約2億5000万ドルを出さなければならなかったとき、海軍は予備資金を利用しました。当時バージニア州選出・共和党・上院議員のジョン・ワーナー(John Warner)は海軍が金を得るための法案を書き上げたと、ナターは言いました。
艦が乾ドックに入れば、海軍は艦の何が悪いか完全に評価を終え、いくら掛かりそうかの見積もりを得ます。コールの場合、海軍は修理を完了するために約2億5000万ドル、F-35戦闘機の約2.5機分を費やしました。
修理で最もありそうなシナリオは、海軍が重量物運搬船でフィッツジェラルドを母国へ送ることだと、退役した潜水艦乗りで、「the Center for Strategic and Budgetary Assessments」のアナリスト、ブライアン・クラーク(Bryan Clark)は言いました。
「彼らが艦を海外で修理してもらう方法はありません」とクラークは言いました。「彼らがいまやっているのは、艦が母国まで自力で行くのに十分なまでに修理できるか、重量物運搬船に乗せなければならないかを判定しようとしているのです。そこからは、プライベート・ヤードの一つで長い修理期間に入りそうです」。
クラークはサンディエゴのゼネラル・ダイナミックスNASSCO社(General Dynamics NASSCO)が修理をするための合理的な場所だと言いました。
コールはミシシッピ州のパスカグーラ(Pascagoula)で、重量物運搬船ブルー・マーリン(Blue Marlin)に乗せ、同艦が建造されたインガルス造船所へ持って行かれました。
コールのために、インガルスは艦の損傷を受けた部位を切り取り、新しい部位を再び加工して、それを艦へ結合させました。2002年のプレスリリースによれば、修理全体で鉄550トンと主エンジン両方が置き換えられました。
艦の乗員については、彼らは徐々に職場復帰して、通常のルーチンに戻りつつあると、ドスは言いました。
乾ドックの準備と共に一部が港湾監視に立ち、「乗員は徐々に通常のルーチンに復帰しているところです」とドスは書きました。「たとえば、フィッツジェラルドの技術者たちは現在、燃料抜き取りプロセスを行っているところです」
「港地区の全員はフィッツジェラルドの隊員と彼らの家族を支援し続けており、私は落ち着いた足取りで彼らのルーチンを再開することが癒やしのプロセスで最も重要な部分だと強調します」。
なぜこういう記事が日本で出てこないのでしょうか。国内で報じられているのは、ごく僅かな記事だけです。日本の記者は米軍の記者会見には行かないのでしょうか?。
アメリカで修理するために、間もなく出港するような記事もあります。修理するかどうかすら、現段階では決まっていません。日本の報道機関はもっと熱心に取材をすべきです。
この記事で、フィッツジェラルドに開いた穴の大きさがわかりました。予想よりも大きく、ACXクリスタルのバルバスバウがそのまま艦底に食い込んだものと考えられます。
衝突警報を鳴らした形跡がないことは、フィッツジェラルドがコンテナ船にまったく気がついていなかったことを連想させます。いよいよイージス艦の責任が大きいのは確定的です。
コールとフィッツジェラルドは同じアーレイバーク級で、基本的には同型ですから、比較するのに最適です。
コールは艦の左舷中央部付近が爆破されました。フィッツジェラルドはもっと前の部分で、吃水線の下でしたから、損害はよりお大きいはずです。コールの修理には14ヶ月かかりました。フィッツジェラルドはもっとかかってもおかしくありません。
右舷側のSPY-1レーダーは下の方が曲がっているようです。4枚ついている内の1枚が壊れていれば、当然、正確な探知はできませんから、交換が必要になります。
エンジンに浸水しなかったのなら、航行は可能かもしれません。事故後にノロノロと進んだのは、浸水した海水の重量が影響しているかもしれません。しかし、重量物運搬船に乗せた方が無難な気がします。航行中に別のトラブルが起きたら大変です。
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